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2008年1月4日(金)「しんぶん赤旗」

温暖化 地球守る道は

市田さんと青年 新春座談会


 今年は地球温暖化問題が内外で大きな課題となる年です。一九九七年に温暖化防止の京都議定書が採択された地で、この問題について日本共産党の市田忠義書記局長と、京都で学ぶ三人の青年が語り合いました。


市田忠義 日本共産党書記局長(参議院議員・環境委員)
斎木美希 京都精華大学人文学部学生
高井佳之 大学院生
津島美琴 京都府立大学農学部学生

身近に迫る脅威
私たちはどうすればいい

 市田 あけましておめでとうございます。

 津島 斎木 高井 あけましておめでとうございます。

写真

(写真)京都議定書ができた京都国際会議場を背景に語り合う(左から)津島美琴さん、斎木美希さん、市田忠義さん、高井佳之さん

 市田 昨年末にインドネシアのバリ島でCOP13(気候変動枠組み条約第十三回締約国会議)が行われました。その直後に、COP3(同条約第三回締約国会議)で京都議定書が定められた京都国際会議場のすぐ近くで、みなさんと温暖化問題で議論ができるのは大変感慨深いです。

 津島 地球温暖化は、氷河が解けるとか、北極グマがいなくなるとか、遠い世界の話のような気がしていました。でも農業問題で自然の影響は無視できません。
 バリ会議があって、世界の人々も取り組んでいるんだなと。それに私も参加したいと思うのですが、どうしていいか分からない。一人でがんばっても私だけ損しているみたいな(笑い)。私ががんばって節電しても、クリスマスのイルミネーションでたくさん電気を使って何なの?みたいな感じもします。

 斎木 温暖化問題は、津島さんがおっしゃった通り、どう取り組んでいいか分からないと思っていました。そんな時に読んだのが、『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』という本でした。
 アメリカのイラク戦争の地球温暖化への影響が大きい、戦争すればするほどCO2(二酸化炭素)の排出量が増えると。戦闘機は八時間飛んだだけで、日本人一人が全生涯に出すCO2の排出量と同じになると書いてあって、本当に驚いて…。戦争はいけないとは考えていましたが、環境問題からも戦争をしてはいけないという面が見えたなと思いました。

 高井 真剣な問題意識を感じたのは、IPCC(「気候変動に関する政府間パネル」)から、「あと百年で二酸化炭素の排出をうまく抑制したとしても気温が二度上がるのは避けられない」という報告が出たことです。
 うまくやったら避けられるのではなくて、二度上がるのが前提となり、どう対策を打つかが現実的な問題になっている。そこに興味があります。

このままでは国がなくなる

 市田 参議院の環境委員をやっています。環境委員になって二年半、毎国会で十五、六回、質問したのですが、温暖化問題だけで十回ぐらいになります。
 温暖化問題を痛感したのが、昨年後半のバングラデシュのサイクロン(熱帯低気圧)被害の時です。すぐ大使館にお見舞いに行ったんです。バングラデシュのドウラ大使は、ヒマラヤの氷河がどんどん解けて、洪水の被害がものすごいと言うんです。
 海抜ゼロメートルのデルタ地帯に多くの人が住み、海面が二メートル上昇したら国が全滅すると言っていました。六メートルもの高波で、数千人の死者が出たんじゃないかと。先進国がCO2をまき散らし、むちゃくちゃやるからこうなると話していました。
 自分たちも努力しなければならないけども、先進国が果たすべき役割は非常に大きい、このままだとバングラデシュはなくなってしまうという話をされてね。党も救援募金を呼びかけ、募金と国会質問の議事録を届けて、大変喜ばれました。

政治が役目果たすとき
つぶやきが世界動かす

 市田 温暖化は身近なところでも起こっていると思いますが、どうですか。

 斎木 おじが長野県の高森町で「市田柿」というのを育てていて、干し柿にして売るんですが、市田柿というブランド名で全国的に知れ渡っています。温暖化の影響を聞いたら、「ものすごく影響を受けている」というのが第一声で、私自身も驚きました。
 市田柿が熟するのが遅くなったと。なかなか寒くならないので干しても干しあがるのが遅くなり、出荷の時期が遅くなってしまうと…。

 市田 寒くならないと駄目なんだよね、干し柿は。

 斎木 柿を干しても腐ったり、黒いカビが発生して売り物にならないと言っていました。四年前くらいから、こういう現象が出てきたと。いつもは十一月三日ごろに収穫していたんですけど、去年は十一月中旬まで収穫できたそうです。
 もっと影響が大きいのはリンゴで、品種は「ふじ」なんですが、収穫が例年より二週間遅いと言っていました。リンゴも赤くなるには気温がぐっと下がることが必要で、ぜんぜん赤くならないので収穫できず、出荷が遅れたと言っていました。温暖化で、リンゴの花が咲くのがぐっと早まるらしいです。四月の終わりぐらいから遅霜が来ると、ものすごい影響を受けるので、遅霜が怖いと言っていました。
 ほかにも、今年は夏場にすごい高温障害が出て、リンゴの皮と実の間に皮膚病ができて売り物にならないとか、カメムシが大量に発生してリンゴの実の液を吸ってしまうとか…。

 市田 カメムシは水稲にも影響するんですよね。農水省が四十七都道府県で調査したら、温暖化で果樹に影響が出ていると答えたのは100%でした。野菜に影響が出ているのが90%。稲が70%だそうです。
 僕は本籍が滋賀県なんです。大阪生まれですが、小学校から高校まで滋賀県ですごしたので、琵琶湖に大変愛着があるんです。委員会で質問したのは、琵琶湖の水質が汚濁している問題です。琵琶湖総合開発計画で護岸の整備をやるなかで、ヨシとかアシが生育できなくなってしまった。それらが浄化装置的な役割を果たしていたわけです。
 琵琶湖では、冬に冷たい空気が押し寄せてくることで湖面が冷えて、湖の深呼吸というか、対流が起こるんです。それが温暖化で起こらなくなったのではと大問題になっています。湖底の酸素が非常に少なくなり、貴重な魚や、いろいろな生物が死ぬなどの問題も起き、衝撃を与えています。

なぜ起こる その波紋は
「桜前線の北上」もなくなる

 津島 「桜前線の北上」ということが言えなくなってきていると指摘されています。生物に対する低温の影響を考えれば、一定の低温期をへて花をつけたり、実が大きくなるんです。キュウリやホウレンソウは、低温があることで雌花をつける。もし低温が来なかったら、雄花ばっかしでキュウリの実がつかない。植物はとても微妙なバランスで生命活動しているんだなと実感します。
 農業の問題では、いますごく輸入が増えてますよね。リンゴがならないとか、コメが取れなくなれば、輸入すればいいじゃないかっていう発想が出ると思うんですね。
 じゃあ、どこから輸入するかっていうと、オーストラリアが大干ばつだったというのがすごいニュースになって、小麦が七割減産だったみたいですね。かたや日本は、小麦の輸入率は九割で、その四分の一をオーストラリアに依存しているんです。だから、お金を出して買える状況じゃなくなってきていると。
 日本は自給すればいいと思っても、誰が作るかというと、働いている人口で農業をしている人が5%に満たないんですね。さらに担い手といわれる三十九歳以下は、その6・5%しかいないんです。半数近くが六十五歳以上の高齢の農家さんで。
 しかも特に去年は米価が暴落して、もう農業をやりたくないって人がどんどん増えている…。これは政治の問題なんですけど、そういう今の農業の実態の上に、さらに農業そのものもできない気候になれば、食べるものがない。すごく恐ろしいことだと思います。

気候システムがガラッと変化

 高井 なぜ地球温暖化が起こるのかなんですけど、まず地球の地表の温度がどうやって決まるかというと、太陽からの日射で暖まるのと、その熱が宇宙空間に逃げていく、この二つのバランスで今の温暖な気候が保たれているわけです。
 それで、二酸化炭素とか、温暖化の効果をもつ気体が増えてしまうと、コートの役目をして、宇宙空間に逃げていく熱を抑制してしまう。
 その影響ですが、単に気温が上がるだけではなくて、台風とか「カトリーナ」(アメリカのハリケーン=熱帯低気圧)のように、海面温度が二度上がることによって、極端な大雨が突然降ったりします。
 台風は、海面から水蒸気をもらい、大きく強い風が発達するんですが、そのエネルギーがどんどん増えて、台風なんかがすごく強くなっていく。

 市田 簡単に言えば、熱帯低気圧が発生しやすくなるわけ?

 高井 そうです、そうです。高緯度の方が暖かい状況が続くので、熱帯低気圧が弱くならず、強いままやってきてしまう。そういう影響があると考えられます。
 私の専攻は、海の状況を物理から理解する海洋物理学です。温暖化で海の流れの状況が変わってきています。地球温暖化で例えば二度以上も上がったことで、地球の気候システム全体として様子がガラッと変わる可能性のあることが問題になっています。その一つが琵琶湖と同様の「大循環」の問題です。
 これは科学的にまだ決着がついてないんですが、北極や南極大陸周辺で海水が冷やされて、琵琶湖と同じように、冷たく、重くなる。それが深海五千メートルとか六千メートルまでズーッと沈み込む。地球全体の海で、一周二千年かかるような、そんな大循環というのがあって…。

 市田 一周二千年! それが壊れる可能性がある…。

 高井 あると指摘されています。北極や南極で氷が解けて、大循環を止める方向に働く。すると今の気候のシステムはガラッと変わってしまう。

 市田 循環が止まると、どういうことが起こるわけ?

 高井 例えばイギリスが緯度の割に暖かいのはメキシコ湾流のおかげですが、それが弱くなるのでイギリスは寒冷化すると言われています。

人間の知恵と力と政治力で

 市田 IPCCの第四次統合評価報告書で言われているのは、温暖化には疑う余地がない。二十世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、自然現象じゃなくて、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が高いと言われています。人間が起こしたんだから、人間の知恵と力と政治の力で、今の時期にがんばっておかないと、取り返しがつかない。

 高井 IPCCの報告をみてうなったのは、平均気温の観測が始まったのは一八五〇年ですが、それ以降の最も高い十二年間のなかに、最近十二年間のうちの十一年間が入っていることです。毎年記録を更新しているんです。海面水位は、一九六一年から二〇〇三年までで年平均一・八ミリ上昇だったのが、九三年から〇三の十年間だと三・一ミリの上昇です。

 市田 「人為起源による」ということは、とりわけ二十世紀の資本主義の経済・産業活動の広がりのなかで、大量生産・大量消費・大量廃棄の急速な進行が今の温暖化をもたらしたっていう、社会的・政治的要因をしっかり見ておくことが、大事じゃないかなと思うんです。
 だからそのシステムを変えないと、地球環境を守ることはできないんじゃないかなって感じがしています。そこで一九九二年に国連気候変動枠組み条約がつくられ、九四年に発効し、それに基づき九七年に京都議定書が定められた。その意義は、ものすごく大きいんじゃないかな。
 IPCCの報告は京都議定書の枠組みを、「最も注目すべき功績は、世界的な気候問題への対応と確立」だと高く評価していますよね。今年から一二年までが「第一約束期間」ですよね。先進国全体で九〇年比で5%以上削減する約束を実行することになっています。
 日本は6%削減が義務づけられていますが、現実には6・4%(06年推定値)も増やしています。何よりもまず、この削減目標の達成に全力をあげる必要があります。
 京都議定書の一番大きな意味は、先進国が全体としてどれだけ削減するかという数値目標を決めて、総量できちんと規制をすることと、各国別にもきちんと目標を決める点にあります。一三年以後の枠組みづくりも、この枠組みをいかに継続、発展させるかが、非常に大事じゃないかなという感じがします。

世界のとりくみは
市民が推進 政府が援助

 津島 温暖化防止のため、世界的にはどんな取り組みが行われているのでしょうか。昨年末に開かれたバリ会議でどんなことが決められたかも興味があるんですが。

 市田 一言で言うと、ヨーロッパと日米の違いなんですけど、ヨーロッパの場合、経済界の「自主的な取り組み」に任せないで、政治がきちんとした仕組みをつくり、産業界と政府が削減の協定を結ぶのが基本ですね。
 日本は、日本経団連がつくる「自主行動計画」任せ。破ったからといって責任が問われるわけでもない。しかも総量を削減するという考えではない。電力でいえば一キロワットあたりのCO2の排出量をいかに削減するかという目標だけですから、生産量が増えれば排出総量は増える。総量を規制しなければいけないのに、その考えがない。
 アメリカのブッシュ大統領が京都議定書から離脱する時も、彼はテキサス州出身で、テキサス州は石油や化学の企業が多く、そこから献金をもらっている政治家だし、彼自身が石油企業の経営者だったから、CO2の排出規制に絶対にくみすることができないのが背景にありました。

 高井 そのアメリカでも、州によっては対策が進んでいて、東部で七つ、西部の五つ、中西部で六つの州が温暖化対策を強化したそうです。カリフォルニア州もそうです。

 斎木 知事は米国の与党、共和党のシュワルツェネッガーですね。

 高井 ここは伝統的に排ガス問題や環境問題について積極的で、最近、州の地球温暖化対策法を成立させました。この変化は非常に大事だと思います。

世界の現状と日本の実態は

 市田 世界の取り組みで学ぶべきなのは、炭素税・環境税です。日本は経済界が反対して実現に至っていないんだけど、CO2のまき散らしを抑制するために炭素税が必要だというのはヨーロッパでは当たり前になっていますよね。
 それから排出量取引です。CO2排出の上限を決めて、たくさん排出抑制をしたら、その分を売ることができる。削減ができていないところはそれを買う。経済的なインセンティブ(誘因)が働くから、意味があります。日本もそれに踏み出すべきじゃないかと国会で言ったら、鴨下環境相も「前向きに検討する」と答弁しました。
 EU(欧州連合)とアメリカとカナダの計十一の州が、排出量取引で統一市場をつくる動きもあります。日本でも東京都が独自に、一定量以上のCO2を排出する事業所については、この取引を認めようということにしています。

 津島 ちょっと調べたんですけど、ドイツでは市民が風力発電を進めて、それに国などが援助をする。国としてもエネルギー源の10%とか15%かは自然エネルギーで賄おうという状況が強まり、毎年水準を上げてきているようですけど、日本は自然エネルギー普及の目標が約3%で、実際は半分ぐらいしか達成していないようですね。
 太陽光発電は国が補助をしてきたんですけど、経済産業省が外してしまったので、今まで日本は太陽光発電ではドイツを抜いてトップだったのが、逆転したようです。

 市田 日本の風力発電も、ドイツのように、電力会社がきちんと固定した価格で買い取りをして、市民が出資しても採算がとれるような仕組みでやっていかないとだめだと思います。国も援助する仕組みをつくらないと再生可能エネルギーは育ちにくいよね。自然エネルギー開発の予算も日本は少ないですね。原子力はすごい予算があるんだけど…。

 高井 テレビのコマーシャルでも「地球温暖化を防止するために原子力」っていってますよね。

 市田 「日本は削減が進んでいないじゃないか」と質問すると、「原発の事故などが起こって今、稼働していないからだ」と、大体そういう答弁です。しかし原発は安全性が確立しておらず、別の環境問題を生みますから、原発依存で温暖化対策というのはだめです。

 津島 オーストラリアでは政権がかわりましたよね。選挙で勝った労働党が、京都議定書批准を公約にしていたのにびっくりしたんです。それが選挙の争点になるんだと。選挙で勝つと、すぐに批准手続きをして…。
 オーストラリアの場合は京都議定書の目標は九〇年比でプラス8%と、増やしてもよかった。それでも前の政権が批准に反対したというのはアメリカ追随を最優先した結果だと思います。でも、干ばつが大問題になったことも政権交代の背景にあったんでしょうね。

 斎木 日本では市民の間でも議論ができていないのではないでしょうか。みんな温暖化に対して自分の考えはあると思う。しかしその意見を言う場がない。選挙で投票するぐらいしかない。もっと議論の場があって、市民のいいアイデアを政府が政策に取り込むことがあってもいいのではないでしょうか。

バリ会議はどうだったか

 津島 バリ会議の評価は、どうですか。

 市田 一三年以降の枠組みをどうするか、いわゆる「バリ・ロードマップ」が採択されたわけですが、大事だと思うのは、IPCC報告に応えて大幅な削減が必要だと確認した点です。
 削減数値はアメリカや日本の反対で明確にならなかったけれども、採択文書の脚注にIPCCの精神を守っていこうということが示されたのは積極的な意味があった。発展途上国やアメリカも含めて世界のほとんどの国が温暖化を防ぐために力を合わせる必要がある点で合意したというのは一歩前進だと思います。
 しかし、京都議定書の精神を受け継ぎ発展させるという意味でいくと、一番大事な総量規制だとか、数値目標をきっちり決めて、実効ある措置をとるという点では非常な不十分さを残した。「二〇二〇年までに25―40%削減する」という目標が案文で示されたのに、結局、削除されました。
 それでも世界の人は、よく見ていると思いますよね。バリ会議で、いろんな国のNGO(非政府組織)の人が毎日投票して、その日、どこの国の態度が一番悪いかという「化石賞」の投票をして、日本は十回ぐらい賞をもらった。温暖化対策に不熱心だと、ブッシュ大統領と福田首相とカナダの首相が地元紙の全面広告で名指しされましたね。「アメリカも入ったから大きな成果だ」と福田首相も鴨下環境相も言っているけれども、そんなものではなかったですね。

 斎木 「ここでもアメリカ追随か」という感じがあって、本当に日本はどうかしている。世界がみんなで取り組もうとしている場で、日本が後ろ向きの態度をとっているのは、みんな見ているんだぞと思いました。
 日本に住んでいる者として、日本の政府が後ろ向きの態度をとっているのはつらい。別に国民が後ろ向きなわけではないのに、国際会議の場で日本代表が後ろ向きな態度をとってしまうと、世界全体で日本はこうなんだと見られるので、それはどうにかしてほしい。

 市田 僕の説明より分かりやすかった。(笑い)

 津島 私も日本人として恥ずかしいなと思う。それでも日本は期待されている。「日本にリーダーシップをとってもらいたい」とか。日本はもっとその声を背負って、期待されているなら、よしがんばろうとやっていきたいな。技術もあるし、知識や蓄積もあるので絶対にやれないことはないと思うので。

 高井 IPCCの報告が会議の議論の土台になっているのが、研究者の目から見て興味深いです。研究成果が政治に直結し、政治の方もそれを受け止める。なぜ「25―40%」なのか、ちゃんと説明がつく。世界が変わってきている感じですね。

“今度は政治家だ”
利潤第一主義ただしていく

市民的議論を巻き起こして

 市田 今年は七月に洞爺湖サミットがあり、恐らく総選挙があります。温暖化問題は、多くの国民が、ちょっとおかしいな、このままでいいのかなと考えかけていると思うんですよ。僕は温暖化問題を重要な争点にしていくべきだと思っています。地球温暖化問題で日本共産党はこう考えるという提言も出して、市民的議論を巻き起こしていきたいですね。
 国会での体験から言うと、経済界に規制をかけるべきだという議論は日本共産党以外はどこもやらない。企業からお金をもらっている党は、それは絶対言えない。そこに市民と連帯できる一番の強みが私たちにはある。そこは確信もってがんばる必要があると思っています。

 高井 「最後は一人ひとりがやらなければだめですよ」っていう宣伝がされていますが、現実には一人ひとりの努力で済む問題ではない。政治の問題にしていかなければいけないし、企業を規制していかなければいけない。その点で日本共産党の役割は大きいと思います。

 津島 私は温暖化対策を楽しくできたらと思います。最近は部屋を出る時とか寝る時はコンセントをすべて抜いたりするんですが、有効なのか分からないというか(笑い)。「温暖化対策=不便」ではなく、エネルギーを自然の力にゆだねることで、私も自然に生かされてると実感できたらいいな。もっとみんなで、国全体で地球の温暖化を止めるんだという大きな目標があったら楽しいと思うんですよね。

 斎木 「環境に優しいことしている」という意識をもって取り組んでいる人はいますよね。「マイ箸(はし)」を持ってるよとか。私も誕生日にマイ箸をプレゼントされました。そういう感じで、環境に取り組んでいるのがカッコイイという意識を、もっと広げていけばいいと思う。

 津島 単に流行に終わらせるんじゃなくてね。

 高井 一人ひとりがやっていることを評価できる仕組みがあってもいいかなと思う。ちょっと小銭がもらえるぐらいの方が、やる気も起こるんじゃないかな。

党派を超えた問題と訴え

 市田 僕が産業界のことを言うと、政府は必ず「産業界は減らしている、もう限界だ。増えているのは家庭やオフィスで、そこに努力してもらう必要がある」と言います。その時に、家庭やオフィスはどうでもよく、問題は産業界だという立場はまずいと思うんです。個々人が節水するとかゴミを減らすとか、コンセントを抜くのは、大事だと思う。
 しかし日本の二酸化炭素排出の八割が産業界と公共事業ですよね。そこが努力しているというが、質問したら、行動計画を立てて目標達成している企業といっても、それはエネルギー原単位での削減目標ですから、例えば日本化学工業協会や石油連盟など十二業種では目標を達成したのに、排出総量ではオーバーしている。「増えております」と政府も認めざるをえないわけですよ。
 利潤第一主義に任せておけば、後は野となれ山となれです。もうかりさえすれば労働者を物扱いにして構わないのと同じ論理で、環境や地球がどうなろうと、そんなことは知ったことかと。
 この論理をそのまま許しておくと、三十数億年もかけてつくりあげられてきた地球の生命維持装置が、ここ数十年の利潤第一主義を放置したために壊されてしまう。これも質問でやったんです。「これは党派を超えた問題だ」と訴えました。
 国連の潘(パン)事務総長が、「いま行動を起こさなければ重大な危機に直面する、ビジネスには基本ルールが必要だ」と言いました。日本共産党がいう「ルールなき資本主義」と同じようなことを言っているんです。
 今後三十年間に気候変動を克服するためにかかる費用は、世界全体の年間GDP(国内総生産)総計の0・1%ですむと。「科学者は仕事をした。今度は政治家が役目を果たすべきだ」。これは名言だな。

 津島 私も、この言葉を大切にしたいと思いました。政治家を選ぶのは私たちですから、事務総長の言葉は私たちへの呼びかけのようにも聞こえます。

 市田 そういう意味では私たち共産党が果たす役割は重大だなと思います。市民運動でも国会の質問でも大いにがんばる決意です。
 小さなつぶやきが寄せ集まると、やっぱり日本の政府も動かすし、世界も動かす。何よりもやっぱり日本の政治を変えていかなければなりません。一気にはいかないけど、個人の努力の積み重ねが集まって、究極的には政治を変えて、人類が生き延びていけるような地球を子や孫に引き渡していく、そういう責任があると痛感しています。


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