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環境委員会  2004年10月28日

市田書記局長の質問・会議録より抜粋


○市田忠義君 京都議定書にかかわって幾つかの問題について質問したいと思います。
 先ほどもお話がありましたように、ロシアの批准で来年二月発効ということが言われていますが、そもそも京都議定書の発効が大幅に遅れたのは、アメリカが 京都議定書から離脱したと。先ごろの読売の世論調査でも七七%の人がアメリカの離脱は納得できないと。私、アメリカは今こそ京都議定書という法的拘束力の ある国際的取決めの枠組みに戻るべきだというふうに思います。
 これも他の委員からお話がありましたが、ドイツを始めEUの各国とも中長期的な高い削減目標を持っているのに比べて、日本の場合はあの六%の削減目標の 達成も困難な状況と、九〇年比で既に七・六%増加しているわけですから。その点で私、COP3の議長国として日本の責任は大変重いというふうに思うわけで すけれども。もちろん個人や家庭の努力も大事ですが、排出量の八割を占めている企業・公共部門で六%削減目標を達成するための対策をいかに取るかと、これ がかぎだと思いますが、大臣のお考え、伺いたいと思います。

○国務大臣(小池百合子君) COP3、京都議定書を作成するそのホスト国になった我が国でありますだけに、それだけ日本に、我が国が負うべき責任、これは大変大きなものがあろうかと思います。その中で、このマイナス六%を目指しているのに逆に増えてしまったではないかということで、確かにそれはもう事実でございます。
 そこで、今後の対策でございますけれども、現行の対策をベースとした場合には、二〇一〇年の産業部門からのエネルギー起源のCO2の排出量が、環境省の 試算でも、これまだ精査中の数値ではありますけれども、基準年に比べてマイナス六・二%という数字でございます。産業部門の目標であるマイナス七%にはそ れでも届かないというような予測になっております。そういうことで、産業部門の対策の実効性を高めるという観点から、自主行動計画の政府との協定化を図る という点、それから温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度、さらには自主的な国内排出量の取引制度、さらには今朝ほど来ずっと御議論も出ておりますよ うな環境税の導入というような幾つかの追加的な施策をして、提案をしているところでございます。
 産業部門の排出を抑制するというためのその実効性ある観点から、こういった追加的な施策を可能なものから導入をいたしまして、その上でマイナス六%の公約達成ということを実現してまいりたいと考えております。

○市田忠義君  二〇〇二年度の産業部門の削減を見ますと、大綱目標マイナス七%に対して、マイナス一・七%と。しかも、産業部門のその排出減というのは、ほとんどが景気 の低迷で生産減。例えば鉱工業生産指数というのは九〇年比で八%減っているわけで、やはり私は企業・公共部門の一層の削減対策が必要だと思うんです。
 先ほど産業界の自主的な取組ということを言われましたけれども、私は、例えば経団連の自主行動計画を見ますと、削減目標というのは、政府を含めて社会全 体に対する公約なので、改めて協定を政府と結ぶ必要がないと、あくまで自主的な取組に固執をしているわけですけれども。私は、そういう自主的な取組に任せ ていては結局削減は進まないと、やっぱり政府との協定化など実効ある制度を導入して、温暖化防止の分野で産業部門に社会的な責任をきちんと果たさすべきで はないかなと。その点についての大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小池百合子君)  かねてより地球温暖化対策の主体は国民一人一人であり、また事業者、そしてさらには企業、大企業と、このように各般にわたるわけでございます。その意味で も、産業界の皆様方とはこれまでも何度か、十回ですね、各業界ごとに懇談会を開かせていただきまして、あらゆる観点から産業界も含めての御協力をいただく ように意見交換も重ねてきておるところでございます。これから年末に向かいまして、この大綱の見直しが更に佳境に入る中にありまして、しっかりと産業界に も協定、先ほどの自主行動計画の政府との協定化などという具体的なテーマについても議論を重ねて、また御理解いただくように努めてまいりたいと考えており ます。

○市田忠義君  実際に産業界がこの六%削減目標の達成のために努力をしているのかどうかという問題なんですけれども、例えば電力業界の温暖化対策を見てみますと、結局、 燃料のコストの安い石炭火力発電所の増設という形で、エネルギー起源のCO2のゼロ%安定化というのは、これ実現できないと。電力会社十社で構成している 電気事業連合会が発表した環境行動計画の二〇〇三年度のフォローアップ結果を見てみますと、二〇〇三年度のCO2排出量三億六千三百万トン、これ前年比で 六・一%の増になっているわけですね。
 それで、これは経済産業省に私お聞きしたいんですが、二〇〇二年度の発電構成に占める石炭火力発電の割合、それから電力向けの石炭量、それから石炭火力のCO2排出量、それぞれ二〇〇二年度どうなっているか、数字だけお答えください。

○政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。
 二〇〇二年度の我が国の一般事業者の総発電電力量に占める石炭火力による発電量は、全体で約二二%を占めてございます。続きまして、一般電気事業用の石 炭の使用量でございますが、同年度の使用量は約六千八百万トンでございます。続きまして、同年度の一般電気事業者の石炭火力発電所からの二酸化炭素排出量 は一億六千八百万トンでございます。

○市田忠義君  九〇年比で見ますと、九電力、九つの電力の発電構成、石炭は二二三%、電力向けの石炭量というのは二・五倍です。石炭火力のCO2排出量というのは、これ も九〇年比で二四六%と。まあ幾ら燃料コストが安いからといって、石炭火力を増設していく、そういう電力業界の姿勢というのは、私は削減対策に逆行してい るというふうに思います。
 それで、石炭の設備利用率を下げるということだとかCO2排出の効率規制ですね、そういう石炭火力への規制だとか、天然ガスへの大幅なシフトを環境省としては私求めるべきだと思いますが、大臣の基本的な考え方をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小池百合子君) 電力業界の方とも意見交換をさせていただきました。
 先ほど来申し上げておりますように、電力、電発を取り巻く、電発そのものを取り巻く環境の様々な問題点もございましたでしょうし、また、これからこの私 どもの大綱に沿った形でそれぞれの企業が対応をしてくださることを願うと同時に、その自主的取組だけではなくて、きっちりとそれぞれのところで目標を持っ てそれを達成できるような、そういう全体的、総合的な取組ができる、そういうシステムを考えてまいりたいと思っております。
 これにつきましては、先ほども申し上げましたように、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度などもその一つでございますし、また環境税などは正にエネルギー源の転換などを促す一つの手段ではないかと考えております。

○市田忠義君 電力業界は、自らの削減努力やらないで、国内的な削減の努力やらないで、増加分、海外での植林で埋め合わせすると。これはあくまで補完的な対策だと私は思うんですが、こういうやり方について、大臣どうお考えですか。

○国務大臣(小池百合子君) いわゆるCDMなどは、これは一つのルールとして認められているところでございます。
 ただ、一応限度と申しましょうか、一・六%という形でございまして、これは全体の地球温暖化対策の補完的なものであって、それをまず念頭に置いた形での行動というのでは本末転倒になるのではないかと、このように思っております。

○市田忠義君  それは、もう本末転倒という答弁いただいたので、やはり電力業界が、本末転倒というのは、国内で最大限努力しても不足するからという場合ならまだ分かる が、そうじゃなくて、国内での努力やらないで、例えば今調べてみたら、私が調べた七つの電力会社だけで、その植林、海外で八万三千五百ヘクタールですよ。 これ、千ヘクタール当たりCO2の吸収量が八十六万トンですから六年分ぐらいなんですね。だから、もっと自らの削減努力をやるべきであって、海外での植林 でそれをこう、本来補完的なものをそういうやり方でやるというのは私は本末転倒だと。やっぱり天然ガスへの大幅なシフトとかですね、やっぱり再生可能エネ ルギーの飛躍的な拡大など、国内対策で削減目標の達成に最大限、私、努力すべきだと思います。
 ちょっと時間がありませんので。
 私、京都の出身なんですが、この飛躍的に拡大しなければならない自然エネルギーの導入対策の問題について少しお聞きしたいんですが、京都は、京都市は二 〇〇三年度から住宅用太陽光発電システム、この設置助成制度を実施しているわけですけれども、その内容は、太陽電池出力一キロワット当たり四万五千円の助 成金、これは四キロワットまで受けられると、そういう制度なんですけれども、この助成制度を活用するためには条件があって、新エネルギー財団が実施してい る住宅用太陽光発電導入促進事業、これに応募をして補助を受けるということが条件になっています。財団の制度が太陽電池出力一キロワット当たり四万五千円 の補助金が受けられるわけですから、これ京都市の制度と合わせますと一キロワット当たり九万円助成されることになります。
 ところが、今、財務省などの補助金削減圧力で、経済産業省や新エネ財団は、来年度、これ大幅削減か廃止を検討していると。そうなると、京都市のようにこ の国の補助制度の利用を条件としているところでは、国の補助制度が廃止されれば、市も財政大変ですから、市の制度も廃止しなければならないと、そういう声 が今私のところへも寄せられています。
 既に、調べてみましたら、全国で大体三百三の地方自治体が助成制度を実施しているわけですけれども、そういう再生可能エネルギーの利用を抜本的に促進するというなら、国の助成制度を削減したり廃止すべきではないと思うんですけれども、これは経済産業省いかがですか。

○政府参考人(岩井良行君) お答え申し上げます。
 太陽光発電は資源制約のない太陽エネルギーを活用するクリーンなエネルギーでございまして、我が国のエネルギー政策上、重要なエネルギー源の一つである と考えております。太陽光発電は、現時点では経済性の面での課題を伴いますことから、設置者の負担軽減を通じて初期需要の創出を図ることによりシステム価 格の引下げを促す観点から、設置費用の一部を助成してございます。
 議員御指摘の住宅向け太陽光発電の補助制度につきましては、最終的には、普及に当たって助成措置を必要としない水準までこのシステムの価格が下がるとい うことを期待いたしまして、市場において自立化した商品として導入されることを目的として、メーカーに対し、コストダウンの時間的目標を与え、価格引下げ 努力をしていただくということを考えまして、支援期間を一定期間に区切り、またコストダウンが進むにつれまして、補助限度額の見直しにつきまして制度を実 施してきておるところでございます。
 その結果、この助成を始めまして以降、十一年間で太陽光発電全体が三十六倍に拡大する、あるいはシステム価格全体が助成を始めましてから五分の一以下になるというような具体的成果が出てきているところでございます。
 来年度でございますけれども、こういった助成を念頭に置きながら、財務省に対してこの制度につきまして二十六億円の予算の要求をさせていただいておりま す。現時点で財務省と十七年度概算要求につきまして折衝中でございますので、十七年度予算がどうなるかということにつきましては確たることは申し上げられ ませんけれども、今までのような実績というようなことを踏まえまして具体的な運用を十七年度もしてまいるということでございます。
 以上でございます。

○市田忠義君 じゃ、削減や廃止はしないというふうに。いいですね。


○政府参考人(岩井良行君) はい。
 十七年度予算につきましては現在折衝中でございますけれども、十七年度におきましても、いただきました予算の範囲内で、コストダウンの状況等を見まして 具体的な補助金額等につきましては見直しもあります、あろうかと思いますけれども、私どもは、十七年度、この事業を引き続き行う予定で財政折衝をしてござ います。

○市田忠義君  現大綱では住宅用三百九十万キロワット、約百万台の普及を想定していると。これに対して、導入促進事業による二〇〇三年度の申込みも含めて約六十一万キロ ワットにとどまっているわけですから。しかも、新エネルギー部会報告書を見ましても、発電コストについては、電灯平均販売価格の約二ないし三倍とまだ高い 状況にあり、導入補助などの支援に頼らずに大規模な導入を図るためには、一層のコスト低減に向け努力が必要とされていると。
 こんなときに削減、廃止をされたらせっかくの制度が成り立たなくなるわけですから、削減、廃止しない方向で努力をしていただきたいと思います。
 もう時間がありませんから、もう一問ですが。
 地球温暖化対策推進大綱の見直し、法改正に当たっての排出量報告、削減計画公表制度の義務付けの問題ですが、これも京都市の問題で恐縮ですが、京都市は、目標としている温室効果ガスの一〇%削減は困難だと。そこから新たな条例を作ろうということになっています。
 その中身見ますと、温室効果ガス排出量の相当程度大きい事業者が自ら削減計画を策定し、市長に提出しなければならない。特定排出事業者は、削減計画の達 成状況を定期的に市長に報告し、市長はそれを公表すると。特定排出事業者とは、燃料の使用量又は電気の使用量が相当量以上の工場及び事業場。それから、燃 料の使用量又は電気の使用量が相当量以上のフランチャイズチェーン、コンビニとかファストフードとかファミレス、こういう形態で営業をする者。それから、 自動販売機を設置する事業者。それから、燃料の使用量が相当量以上かつ一定台数以上の自動車を保有している貨物及び旅客運輸事業者をいうと。削減計画等の 提出義務を履行しない者に対して勧告し、氏名公表すると。
 これが京都市の条例の案であるわけですけれども、地球温暖化対策推進法でもいろんなことが言われていますが、なかなか効果が上がっていないと。やっぱり 大綱の見直しに当たって、地方自治体でのこういう取組を促進するような排出量の算定・報告・公表制度を明確に盛り込むべきではないかと。
 最後にその一問だけ聞いて、終わります。

○国務大臣(小池百合子君) 事業者からの温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度につきましては、地球環境審議会の中間取りまとめの中で追加的な施策の一つとして取り上げていただいております。
 とにかく、減らしてください、減らしてくださいと私ども言っておりますけれども、最初にちょっと体重計に乗ってもらって、ダイエット目標を決めていただ かないといけないということには、まず乗っていただくと、体重計に、という意味で、排出量を、どれぐらい温室効果ガスを自らのどの分野から出しているのか ということをまず認識していただくことがスタートラインであろうと、不可欠だと思います。その排出量、一覧性を持って公表することで排出削減対策促進への インセンティブが与えられるということを申し上げているわけでございまして、この中間取りまとめを踏まえて、いわゆる京都議定書で規定されております温室 効果ガスの六種類、これを対象とする算定・報告・公表制度の導入、私どもは必要だと感じておりますので、大綱にも国の重要な施策として盛り込めるように政 府内の調整を進めていきたいと考えております。
 また、先ほどの御質問の際に、植林活動、私は、今年のノーベル平和賞、マータイさんですよね。ですから、その意味では、植林活動は本当に日本は、電力業 界のみならず、いろんな企業も個人も大変活発にやっているので、これはこれで立派な行動だと思っておりますので、本の末のどこに当てはまるか分かりません けれども、これはこれでしっかりと努めていくのも日本としてすばらしい活動ではないか、このように思いますので、付け加えさせていただきます。

○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。簡単にしてください。

○市田忠義君 本末のとらえ方が違うことがはっきりしましたけれども、以上で終わります。

○委員長(郡司彰君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。