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参議院予算委員会 2004年10月20日

市田書記局長の質問・会議録より抜粋


○委員長(中曽根弘文君) 次に、市田忠義君の質疑を行います。市田忠義君。

○市田忠義君 大変今日は時間が限られていますから、在日米軍基地問題に絞って質問いたします。
 今米軍に基地をどれぐらいの面積提供しているか、自衛隊の共用と併せてお答えください。

○政府参考人(山中昭栄君) 今年の一月一日現在でございますが、いわゆる米軍の専用施設として八十八施設、約三百十二平方キロ、また演習場といった自衛隊の施設等を共同使用しているものが四十七施設、六百九十九平方キロ、合計で百三十五施設、約一千十一平方キロということでございます。

○市田忠義君 東京二十三区の約一・六倍の面積であります。ヨーロッパでは、十五年前、米軍が駐留していたのはおよそ三十一万、今日大体十一万七千で、三分の一ぐらいに減っています。日本は逆に増え続けて、面積でいうと一九八〇年の二倍、人員についていうと同じ人数であります。
 そこでお聞きしますが、今アメリカが一番大規模に海外に軍を派遣しているのはイラクです。二番目にアメリカがたくさん海外に出している国はどこですか。

○政府参考人(海老原紳君) 本年三月末現在の米国国防省のデータによりますと、イラクの自由作戦には今おっしゃいましたように約二十一万人の米軍が派遣されております。それに次ぐ数といたしましては、ドイツに約七万五千人の米軍人が派遣されているというふうに承知をいたしております。

○市田忠義君  在日米軍のワスコー司令官が八月二十六日、日本記者クラブの講演で次のように述べています。米国は五万八千人の軍人を日本に駐留させています。この人数 は、米国が海外に派遣している国の中では、イラクを除いては一番多い数となっていますと。ワスコーが八月二十六日に述べた講演であります。
 しかも、在日米軍の大半は海兵遠征隊、空母打撃群、そして航空宇宙遠征軍など、名前のとおり海外へ遠征する部隊ばかりであります。その大半が沖縄に集中しているわけですが、今年に入って沖縄から海兵隊が何人イラクに行きましたか。

○政府参考人(海老原紳君)  米軍が発表しているところに従いますれば、在日米軍からイラクに派遣された部隊、これまあほとんど沖縄からでございますけれども、本年初めに派遣されまし た約三千人の海兵隊部隊、本年八月に派遣されました約二千二百人の海兵隊部隊などがあるというふうに承知いたしております。

○市田忠義君 五千人以上という物すごい数であります。
 去る八月十三日に米軍ヘリが沖縄の国際大学の構内に墜落、炎上しました。そして、十月五日に米軍の事故調査報告が出されたと。事故原因、後部の回転翼の ボルトを留めるコッターピンを付け忘れていたと。まあ信じ難いずさんな整備だったが、そういう事態になった理由として報告書はどう述べていますか。

○政府参考人(山中昭栄君)  今御指摘ございましたように、八月の十三日のヘリの墜落事故の直接的な原因はコッターピンが装着をされておりませんで、テールローターをコントロールする 油圧装置の接続ボルトが飛行中に外れ落ちたと。テールローターの制御が不能になりまして、その羽根が垂直尾翼に当たってこれを損傷させたということでござ いますが、この直接的な原因に至る要因といたしまして、整備要員が長時間の勤務に就いておりまして、夜勤の要員と日勤の要員の間で意思疎通が十分に行われ ていなかった。つまり、コッターピンを外したということについての引継ぎ、あるいはそれの確認作業、こういうものが十分になされていなかったということが 直接的な原因に至る要因であったということでございます。

○市田忠義君 今言われたように、三日連続十七時間勤務と、手が震えて止まらないと、何とかしてくれと軍曹に伍長が助けを求めるぐらいの事態でした。何と書いてあるか、報告書に。整備部門は八月十日以来十二時間労働体制という突貫体制だったと。
 総理、どういう理由で突貫体制だったんですか。事故報告書をお読みになったと思いますから、お答えください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 詳しくは聞いておりません。

○市田忠義君  これだけ重大な事故が起こって、事故報告書も読んでないと。これ、二百十ページの事故報告書ですよ。何と書いてあるか。十四日、八月十四日には、どんなこ とがあっても、エセックス、これは強襲揚陸艦ですが、これと、第三十一海兵遠征隊にヘリを飛ばすためだったと。要するに、イラク戦争のために無理な突貫作 業をやり、初歩的なミスを犯したと。いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本政府としては、初歩的であろうとどうであろうと、事故の原因究明、再発防止、全力を挙げて取り組んでほしいという申入れは強くしております。

○市田忠義君  ちゃんとここに、三十三ページに書いてあるんですよ。あれだけの事故が起こったら読むのが当たり前ですよ。そこには、イラク戦争のために、間に合わすため に突貫作業にならざるを得なかったと。そんなことも知らないで、私は、事故報告書を認めるというのはけしからぬと思うんです。
 ところが、事故が起こってからわずか九日後、これはまだこの事故報告書が出るはるか以前です。八月の二十二日、日本政府の制止を振り切って、事故機と同 型のヘリ六機が普天間基地へ飛び立ったと。どこへ、何のために飛び立ったか。衆議院の九月六日閉会中審査、海老原北米局長、答弁しています。その答弁部 分、読み上げてください。

○政府参考人(海老原紳君)  あの九月六日の私の答弁はかなり長いものでございますけれども、今の委員の関連のところを申し上げれば、八月二十二日の未明、マハラク在京米代理大使か ら、CH53D、これは事故機と同型のヘリでございますが、このヘリを飛行せしめたいとの内々の打診がございました。これに対しまして、私の方から、原因 の究明とそれを踏まえての再発防止策について十分な説明を受けていない段階で飛行を行うことには強く反対するということを申し入れと、しかしながら、同日 の、同日の十二時半ごろより、普天間飛行場から同型ヘリ六機がイラクでの米軍の作戦に向かうために飛行したと承知しているということを答弁申し上げまし た。

○市田忠義君 今お聞きになったように、本当にひどい話だと思うんですね。
 イラクへの出撃のために、国民の安全や命はないがしろにしてもいいと。しかも、政府は、総理、飛ばないでくれと、まだ事故原因も明確でない、再発防止策 も明確でないから飛ばないでくれと言っているのに、その反対を押し切って飛んだと。許し難いと、総理、思いませんか。いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題については、今後、事故再発については十分対策を練るようにと強く働き掛けているわけでありますので、今後ともそのような働き掛けを継続していきたいと思っております。

○市田忠義君 イラクの出撃のために日本の国民の命がないがしろになってもいいと。政府はやってはならないと言っているのに、それを無視して飛び立ったと。それに対してどう思っておられるかと聞いているんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはちょっと論理が飛躍しているんじゃないでしょうか。
 それは、米軍にとっては日本の申入れを厳重に受け止めると、そして今後、これからにつきまして、沖縄と基地の負担等、そういう問題についても日米間で十 分協議していこうという話を今進めているわけでございますので、必ずしもイラクに行くから日本国民、沖縄県民の命をないがしろにしているという問題とすぐ 結び付けるというのはちょっと早計じゃないでしょうか。

○市田忠義君 じゃ、総理に聞きましょう。
 墜落した米軍ヘリ、どれぐらいの大きさだと思われますか。

○政府参考人(山中昭栄君) これは、回転翼機としてはかなり大型のものでございまして、全長が二十六・九メーター、全幅が、これはローターの直径でございますが、二十二メーター、全高が七・六メーターということでございます。

○市田忠義君 あるテレビカメラマンが二十五メートルプールが空から降ってきた感じだと。この第一委員会室と同じ大きさなんですよ。それが空から落ちてきたというのが実態なんです。
 それで、私、お聞きします。総理は、政府は米軍の事故報告を受け入れて、今月の十二日、飛行再開お認めになりました。今後、絶対事故が起こらないという保証ありますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事故というのは絶対起こらないかというと、それは絶対という、というのはこの世の中にないと思います。それはもう絶対に起こらないということを一〇〇%断定できるということは私は申し上げることはできないけれども……(発言する者あり)

○委員長(中曽根弘文君) 静粛にしてください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事故起こらないように最善の努力をしなきゃならないということは私は当然のことだと思っております。

○市田忠義君  ああいう戦争に間に合わすために整備もろくたまやらないで、プロペラ外れるのは当たり前ですよ。それ留めるためのボルト、留め金まで外して、そういう不整 備のまま飛んだんですから落ちるのは当たり前なんですよ。だから、事故絶対起こらないという保証はないのは当たり前です。
 じゃ、聞きます。普天間基地所属、大体一日平均どれぐらい飛行訓練やっていますか。

○政府参考人(海老原紳君) これは米軍の運用の一々に関することでございまして、外務省としては知り得る立場にございません。承知しておりません。

○市田忠義君 危険だ危険だとか、沖縄基地の負担の軽減だとか言いながら、そういう調査もやっていない。宜野湾市に聞いたらすぐ分かりますよ。宜野湾市の調査によれば、一日平均百回、多いとき、イラク戦争が始まってからは一日飛行訓練回数は二百回だと。
 沖縄の地元紙、社説でどう書いているか。普天間基地が危険なのは、密集する住宅地域の中にあることもそうだが、米軍という軍隊組織そのものの危険性に県 民は異常な不安を感じているからだと、戦時を前提に行動している組織と日々平穏に暮らすことを望む県民とはどう考えても共存できないと。
 総理、あなたは共存できると考えますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)  それはそのとおりであります。戦時を考えている米軍と、それから日本は今平時ですから、この問題というのは一概には言えないんであって難しい問題でありま すが、私は、米軍が事故を起こさないように細心の注意を払っていただきたい、最大限の努力をしてもらわなけりゃならないということを強く日本側としては米 軍に申し入れているわけでありまして、そういう中で米軍としては、今、イラク、アフガン始め、戦時と考えていると思います。その点の意識のギャップは確か にあると思います。
 そういう中で、日本の日米安保条約、そして沖縄等の負担軽減、どう考えていくか、極めて難しい問題でありますが、日本のやっぱり平和と安全を考えると日 米安保条約というのは重要だと認識しておりますので、その中で今後、トランスフォーメーション始めこの在日米軍の見直し等、また基地負担の軽減等図ってい くための協議が重要だと認識しているわけでございます。

○市田忠義君  共存できないことを認められました。じゃ、撤去しかないじゃないですか。安全対策安全対策と言うけれども、祖国復帰以降、この間、この普天間基地だけで七 十五回事故が起こっているんですよ。安全対策って何回繰り返してきましたか。撤去も言えない、余りにも私、情けない態度だと思うんです。
 そこで聞きます。日本、韓国、ドイツ各国が負担している米軍駐留経費、それぞれ幾らですか。

○政府参考人(海老原紳君) これは米側の報告書に、国防総省によりますれば、日本の支援額が四十六億一千四百八十五万ドル、韓国が八億四百九十八万ドル、ドイツが八億六千百六十六万ドル、これは二〇〇三年版でございます。

○市田忠義君 今言われましたように、アメリカ国防総省の報告によると、米軍駐留経費の負担、日本四十六・二億ドル、ドイツ、韓国のおよそ五倍、六倍ですね。(資料提示)
 二十四か国、これはアメリカが同盟関係を結んでいる、米軍を配置している国、二十五か国あります、日本を除く二十四か国の合計が二十八・八億ドルなんで す。それと比べてもこれ一・数倍、物すごい数です。ごめんなさい、二十八・八億ドルですから、一・六倍規模ですね。それだけの規模の負担をやっていると。
 余りにも気前がよ過ぎるから、韓国でもドイツでも今軍隊を減らしているのに、居心地がいいと。そして、あの治外法権的な、もう占領時そのままのああいう 地位協定そのままにしていると。三つ目には、アメリカのそういうやり方に唯々諾々としてあなた方が従っていると。だから、いつまでたっても米軍基地減らな い、撤去も要求しないと。
 私は、二十一世紀、いつまでも基地国家であり続けてはならないと思うんですよ。その方が異常だと。やっぱり、安保なくして、基地も安保もない独立平和の日本つくる、そのことこそ二十一世紀の未来があると、そのことを私、指摘して、質問を終わります。

○委員長(中曽根弘文君) 以上で市田忠義君の質疑は終了いたしました。(拍手)