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2004年10月22日(金)「しんぶん赤旗」

参院予算委

市田書記局長の総括質問(大要)


 日本共産党の市田忠義書記局長が二十日の参院予算委員会でおこなった総括質問(大要)はつぎの通りです。


市田 在日米軍の基地面積、東京23区の約1.6倍

北米局長 沖縄から、イラクに5千人以上の米軍が派遣されている

 市田忠義書記局長 今日は時間が限られていますから、在日米軍基地問題に絞って質問いたします。

 今、米軍に基地をどれぐらいの面積提供しているか、自衛隊の共用と併せてお答えください。

 山中昭栄防衛施設庁長官 今年の一月一日現在でございますが、いわゆる米軍の専用施設として八十八施設、約三百十二平方キロ、また演習場といった自衛隊の施設等を共同使用しているものが四十七施設、六百九十九平方キロ、合計で百三十五施設、約一千十一平方キロということでございます。

 市田 東京二十三区の約一・六倍の面積であります。ヨーロッパでは、十五年前、米軍が駐留していたのはおよそ三十一万、今日だいたい十一万七千で、三分の一ぐらいに減っています。日本は逆に増え続けて、面積でいうと一九八〇年の二倍、人員についていうと同じ人数であります。

 そこでお聞きしますが、今アメリカが一番大規模に海外に軍を派遣しているのはイラクです。二番目にアメリカがたくさん海外に出している国はどこですか。

 海老原紳外務省北米局長 本年三月末現在の米国国防総省のデータによりますと、イラクの自由作戦には今おっしゃいましたように約二十一万人の米軍が派遣されております。それに次ぐ数といたしましては、ドイツに約七万五千人の米軍人が派遣されているというふうに承知をいたしております。

 市田 在日米軍のワスコー司令官が八月二十六日、日本記者クラブの講演で次のように述べています。「米国は五万八千人の軍人を日本に駐留させています。この人数は、米国が海外に派遣している国の中では、イラクを除いては一番多い数となっています」と。ワスコーが八月二十六日に述べた講演であります。

 しかも、在日米軍の大半は海兵遠征隊、空母打撃群、そして航空宇宙遠征軍など、名前のとおり海外へ遠征する部隊ばかりであります。その大半が沖縄に集中しているわけですが、今年に入って沖縄から海兵隊が何人イラクに行きましたか。

 北米局長 米軍が発表しているところに従いますと、在日米軍からイラクに派遣された部隊、これまあほとんど沖縄からでございますけれども、本年初めに派遣されました約三千人の海兵隊部隊、本年八月に派遣されました約二千二百人の海兵隊部隊などがあるというふうに承知いたしております。

 市田 五千人以上というものすごい数であります。

市田 ヘリ墜落事故、イラク出撃のために国民の命ないがしろに

首相 命の問題を結び付けるのは、ちょっと…

写真

米軍ヘリ墜落事故を追及する市田忠義書記局長=20日、参院予算委

 市田 去る八月十三日に米軍ヘリが沖縄の国際大学の構内に墜落、炎上しました。そして、十月五日に米軍の事故調査報告が出された。事故原因、後部の回転翼のボルトを止めるコッターピンを付け忘れていたと。まあ信じ難いずさんな整備だったが、そういう事態になった理由として報告書はどう述べていますか。

 防衛施設庁長官 今ご指摘ございましたように、八月の十三日のヘリの墜落事故の直接的な原因はコッターピンが装着をされておりませんで、テールローターをコントロールする油圧装置の接続ボルトが飛行中に外れ落ちたと。テールローターの制御が不能になりまして、その羽根が垂直尾翼に当たってこれを損傷させたということでございますが、この直接的な原因に至る要因といたしまして、整備要員が長時間の勤務に就いておりまして、夜勤の要員と日勤の要員の間で意思疎通が十分に行われていなかった。つまり、コッターピンを外したということについての引き継ぎ、あるいはそれの確認作業、こういうものが十分になされていなかったということが直接的な原因に至る要因であったということでございます。

 市田 今言われたように、三日連続十七時間勤務で、手が震えて止まらない、何とかしてくれと軍曹に伍長が助けを求めるぐらいの事態でした。何と書いてあるか、報告書に。整備部門は八月十日以来十二時間労働体制という突貫体制だったと。

 総理、どういう理由で突貫体制だったんですか。事故報告書をお読みになったと思いますから、お答えください。

 小泉純一郎首相 詳しくは聞いておりません。

 市田 これだけ重大な事故が起こって、事故報告書も読んでないと。これ、二百十ページの事故報告書ですよ。何と書いてあるか。十四日、八月十四日には、どんなことがあっても、エセックス、これは強襲揚陸艦ですが、これと、第三一海兵遠征隊にヘリを飛ばすためだった。要するに、イラク戦争のために無理な突貫作業をやり、初歩的なミスを犯したと。いかがですか。

 首相 日本政府としては、初歩的であろうとどうであろうと、事故の原因究明、再発防止、全力を挙げて取り組んでほしいという申し入れは強くしております。

 市田 ちゃんとここに、三十三ページに書いてあるんですよ。あれだけの事故が起こったら、読むのが当たり前ですよ。そこには、イラク戦争に間に合わすために突貫作業にならざるを得なかったと。そんなことも知らないで、私は、事故報告書を認めるというのはけしからんと思うんです。

 ところが、事故が起こってからわずか九日後、これはまだこの事故報告書が出るはるか以前です。八月の二十二日、日本政府の制止を振り切って、事故機と同型のヘリ六機が普天間基地を飛び立った。どこへ、何のために飛び立ったか。衆議院の九月六日閉会中審査、海老原北米局長、答弁しています。その答弁部分、読み上げてください。

 北米局長 あの九月六日の私の答弁はかなり長いものでございますけれども、今の委員の関連のところを申し上げれば、八月二十二日の未明、マハラック在京米代理大使から、CH53D、これは事故機と同型のヘリでございますが、このヘリを飛行せしめたいとの内々の打診がございました。これに対しまして、私の方から、原因の究明とそれを踏まえての再発防止策について十分な説明を受けていない段階で飛行を行うことには強く反対するということを申し入れしながら、同日の十二時半ごろより、普天間飛行場から同型ヘリ六機がイラクでの米軍の作戦に向かうために飛行したと承知しているということを答弁申し上げました。

 市田 今お聞きになったように、本当にひどい話だと思うんですね。

 イラクへの出撃のために、国民の安全や命はないがしろにしてもいいと。しかも、政府は、総理、飛ばないでくれと、まだ事故原因も明確でない、再発防止策も明確でないから飛ばないでくれと言っているのに、その反対を押し切って飛んだと。許し難いと、総理、思いませんか。いかがですか。

 首相 この問題については、今後、事故再発については十分対策を練るようにと強く働き掛けているわけでありますので、今後ともそのような働き掛けを継続していきたいと思っております。

 市田 イラクの出撃のために日本の国民の命がないがしろになってもいいと。政府はやってはならないと言っているのに、それを無視して飛び立ったと。それに対してどう思っておられるかと聞いているんです。

 首相 それはちょっと論理が飛躍しているんじゃないでしょうか。

 (市田 そうじゃないです。抗議したんですか)

 首相 それは、米軍にとっては日本の申し入れを厳重に受け止めると、そして、今後、これからにつきまして、沖縄と基地の負担等、そういう問題についても日米間で十分協議していこうという話を今進めているわけでございますので、必ずしもイラクに行くから日本国民、沖縄県民の命をないがしろにしているという問題とすぐ結び付けるというのはちょっと早計じゃないでしょうか。

市田 政府は飛行再開認めたが、絶対事故が起きない保証あるのか

首相 絶対に起こらないということを百パーセント断定できない

 市田 じゃ、総理に聞きましょう。

 墜落した米軍ヘリ、どれぐらいの大きさだと思われますか。

 防衛施設庁長官 これは、回転翼機としてはかなり大型のものでございまして、全長が二十六・九メートル、全幅が、これはローターの直径でございますが、二十二メートル、全高が七・六メートルということでございます。

 市田 あるテレビカメラマンが二十五メートルプールが空から降ってきた感じだと。この第一委員会室と同じ大きさなんですよ。それが空から落ちてきたというのが実態なんです。

 それで、私お聞きします。総理は、政府は米軍の事故報告を受け入れて、今月の十二日、飛行再開をお認めになりました。今後、絶対事故が起こらないという保証、ありますか。

 首相 事故というのは絶対起こらないかというと、それは絶対というのはこの世の中にないと思います。それはもう絶対に起こらないということを百パーセント断定できるということは私は申し上げることはできないけれども……。(委員会室が騒然となる)

 中曽根弘文予算委員長 静粛にしてください。

 首相 事故が起こらないように最善の努力をしなきゃならないということは私は当然のことだと思っております。

 市田 ああいう戦争に間に合わすために整備もろくにやらないで、プロペラが外れるのは当たり前ですよ。それ留めるためのボルト、留め金まで外して、そういう不整備のまま飛んだんですから落ちるのは当たり前なんですよ。だから、事故絶対起こらないという保証はないのは当たり前です。

 じゃ、聞きます。普天間基地所属(の航空機は)、だいたい一日平均どれぐらい飛行訓練やっていますか。

 北米局長 これは米軍の運用のいちいちに関することでございまして、外務省としては知り得る立場にございません。承知しておりません。

市田 軍隊と、平穏を望む県民が共存できると思うか

首相 (共存できないことは)その通りです

 市田 危険だ危険だとか、沖縄基地の負担の軽減だとか言いながら、そういう調査もやっていない。宜野湾市に聞いたらすぐ分かりますよ。宜野湾市の調査によれば、一日平均百回、多いとき、イラク戦争が始まってからは一日飛行訓練回数は二百回だと。

 沖縄の地元紙、社説でどう書いているか。「普天間飛行場が危険なのは、密集する住宅地域の中にあることもそうだが、米軍という軍隊組織そのものを根源とする危険性に、県民は常に大きな不安を感じているからだ。戦時を前提に行動している組織と、日々平穏に暮らすことを望む県民とは、どう考えても『共生』『共存』することはできない」(琉球新報九月十三日付)と。

 総理、あなたは共存できると考えますか。

 首相 それはそのとおりであります。戦時を考えている米軍と、それから日本は今平時ですから、この問題というのは一概には言えないんであって難しい問題でありますが、私は、米軍が事故を起こさないように細心の注意を払っていただきたい、最大限の努力をしてもらわなけりゃならないということを強く日本側としては米軍に申し入れているわけでありまして、そういう中で米軍としては、今、イラク、アフガンはじめ、戦時と考えていると思います。その点の意識のギャップは確かにあると思います。

 そういう中で、日本の日米安保条約、そして沖縄等の負担軽減、どう考えていくか、極めて難しい問題でありますが、日本のやっぱり平和と安全を考えると日米安保条約というのは重要だと認識しておりますので、その中で今後、トランスフォーメーション(米軍の変革)はじめ、この在日米軍の見直し等、また基地負担の軽減等図っていくための協議が重要だと認識しているわけでございます。

市田 米軍駐留経費負担は独・韓の5、6倍 基地も安保もない日本こそ

グラフ

 市田 共存できないことを認められました。じゃ、撤去しかないじゃないですか。安全対策、安全対策と言うけれども、祖国復帰以降、この間、この普天間基地だけで七十五回事故が起こっているんですよ。安全対策って何回繰り返してきましたか。撤去も言えない、あまりにも私、情けない態度だと思うんです。

 そこで聞きます。日本、韓国、ドイツ各国が負担している米軍駐留経費、それぞれいくらですか。

 北米局長 これは米側の報告書に、国防総省によりますと、日本の支援額が四十六億一千四百八十五万ドル(約四千九百九十億円)、韓国が八億四百九十八万ドル(約九百二十億円)、ドイツが八億六千百六十六万ドル(約九百三十億円)、これは二〇〇三年版でございます。

 市田 今言われましたように、アメリカ国防総省の報告によると、米軍駐留経費の負担、日本四十六・二億ドル、ドイツ、韓国のおよそ五倍、六倍ですね。(パネルを示す)

 アメリカが同盟関係を結んで米軍を配置している国は二十五カ国ありますが、日本を除く二十四カ国の合計が二十八・八億ドルなんです。それと比べても一・六倍規模ですね。それだけの規模の負担をやっていると。

 あまりにも気前がよすぎるから、韓国でもドイツでも今軍隊を減らしているのに、(日本は)居心地がいい。そして、あの治外法権的な、もう占領時そのままのああいう地位協定そのままにしている。三つ目には、アメリカのそういうやり方に唯々諾々としてあなた方が従っている。だから、いつまでたっても米軍基地は減らない、撤去も要求しないと。

 私は、二十一世紀、いつまでも基地国家であり続けてはならないと思うんですよ。その方が異常だと。やっぱり、安保をなくして、基地も安保もない独立平和の日本をつくる、そのことこそ二十一世紀の未来がある、そのことを指摘して、質問を終わります。(拍手)