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2004年5月31日(月)「しんぶん赤旗」

NHK「日曜討論」での

市田書記局長の発言


 日本共産党の市田忠義書記局長は三十日、NHK「日曜討論」に出演し、日朝問題や年金問題について発言しました。出演はほかに自民・安倍晋三、公明・冬柴鉄三、民主・藤井裕久、社民・又市征治各幹事長です。

日朝問題 宣言の再確認を評価

 二十二日に行われた日朝首脳会談について与党側は「前進だ」(安倍氏)、「首相の英断だ」(冬柴氏)と評価。野党側は「拙速の印象」(藤井氏)、「基本的に評価」(又市氏)とのべました。市田氏は党の立場を次のように説明しました。

 市田 どういう立場で一定の前進をしたと評価しているかということですが、一つは朝鮮半島で軍事的な衝突を絶対に起こしてはならず、平和的、外交的に問題を解決すると。二つ目には、拉致というのは絶対に許されない国際的な犯罪で、真相の徹底的な究明と被害者家族の全員帰国(が必要)。三つ目には、戦前の日本の植民地支配の歴史の清算が、戦後日本が負っている歴史的責務だということです。

 これを交渉で包括的に解決することが日朝問題を解決する一番の道だと考えてきましたが、二〇〇二年の日朝平壌宣言はその方向での前進だったと思います。今度の日朝首脳会談でも、日朝間の基礎として平壌宣言を再確認し、その上にたって拉致、核・ミサイル、人道援助などについての一定の合意と、国交正常化交渉への前進の方向が確認された点で評価します。

 日本共産党は小泉政治に対して最も厳しく対決してきましたが、道理に合い、国民の利益に合うことなら支持し協力を惜しまない。何でも反対ではないということです。

 国際機関を通じた北朝鮮への人道支援について見解を問われ、市田氏は次のようにのべました。

 市田 人道支援というのは政治の問題とからめてはならないと思います。北朝鮮が数々の国際的な無法を重ねてきた国だとわれわれは知っていますし、それと真正面から対決してきました。だからいまだに断絶状態ですが、そういう問題があるから人道支援をやってはならないということではなく、そこに支援を必要とする人々がいるのに見捨ててはおけないと。政治の問題を超えて国際機関の要請にこたえてやるのが人道支援です。

 日本も二〇〇〇年までは六回にわたり人道支援をしていたが中断していた。去年一番(人道支援が)多いのはアメリカで、二番目が韓国です。ですから国際機関の要請にこたえた人道支援というのは当然で、(国民)本人に届くかという問題でも、国連はその点について点検しています。国際機関を通じての人道支援というのは非常に大事なことだと思います。

 与党と民主党が「制裁のカードは効いている」(安倍氏)として新たに経済制裁の法案を通そうとしていることについて、市田氏は反対の理由を次のようにのべました。

 市田 外為法「改正」もそうでしたが、昨年八月の六カ国協議で、各国が情勢を悪化させたり激化させるような行動を取らないと合意事項の四項目にあるんですね。それに反することをやるべきでない。まして日朝平壌宣言を両国間の基礎として再確認した直後に、日本の方から緊張を激化させるような行動をとるべきではありません。

 私は外交的圧力はあると思うんです。日朝平壌宣言の線に沿って堂々と道理を説いていく。交渉ルートを開いた以上、交渉を通じて両国の利害をどう実現させていくか。道理がすべてだというのが私たちの考えで、そういう立場から反対です。

 安倍氏は「圧力だけとはいわない。対話が基本だ」と弁明しました。

年金問題 2つのウソはっきり

 参院で審議中の年金改悪案について与党側は「首相がサミットに行く前に成立を図りたい」(安倍氏)、「絶対に通さねばならない」(冬柴氏)とのべ、週内採決を示唆。野党側は「廃案が大原則」(藤井氏)などと反対しました。市田氏は次のようにのべました。

 市田 私は撤回、廃案に追い込むべきだと思います。その理由は二つです。一つは、もともと政府案は厚生年金でいえば毎年平均一万円ずつ、十四年間連続して保険料を上げる。国民年金だと三千三百六十円ずつ十三年間連続して引き上げる。給付の方は(実質)15%カットする。しかし、“百年安心”と宣伝されていたのは、上がり続けるが、国民年金は一万六千九百円で(上限を)固定するといっていた。実は固定ではなく、もっと上がるということだと分かりました。

 給付は、厚生年金でいえばモデル世帯で50%を割ることはない、確保すると。しかし、いま四十五歳の人がもらう瞬間だけ五割で、十年たてば四割台になってしまうという、(保険料と給付の)二つのウソがはっきりしたと思うんです。衆院段階ではまったく説明もなく、そのまま通してしまった問題がある。

 もう一つは、国会議員は年金制度を決める責任を持っている唯一の立場にあるんですね。一般国民と区別される。その国民に負担を強いる国会議員が強制加入、かつ国会議員になった以降に未加入や未納があったことで国民の不信が出るのは当然です。とりわけ法案提案者である与党がその点をはっきりさせるべきです。その点からも撤回、廃案以外にありません。

 国会議員の国民年金未納問題について市田氏は、日本共産党に一人未納者がいたことを改めておわびした上で、六日に他党に先駆けて全議員の状況を公表したことを説明。党としての公表を拒否する自民党や、法案の衆院通過後に自党の未納議員を公表するなど未納問題を党略的に扱った公明党を批判しました。

 また、自民、公明、民主の三党が年金改悪案の衆院通過などを合意した「三党合意」や、党の年金改革案について次のようにのべました。

 市田 共産党は(合意に)加わっていません。三党だけで五月十一日の衆院通過を事実上容認した。密室でそういうことをしたのは重大です。それから、消費税の増税に道を開くような合意があるのです。社会保障全体について「税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直し」と(している)。

 年金の一元化ということでいえば、制度間の差をなくすことは大事だと思います。土台が崩れているのですから、その土台部分について、最低保障年金制度をきちんとつくる、全額国庫負担で少なくとも五万円を保障して、その上に掛け金に応じて給付を上乗せするというやり方こそいま求められていると思います。