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2003年10月13日(月)「しんぶん赤旗」

21世紀の日本どうする 総選挙の対決点

テレビ討論で鮮明に


 日本共産党の市田忠義書記局長は十二日、フジテレビ系「報道2001」、NHK「日曜討論」、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」の各番組に相次いで出演し、総選挙の争点について、各党の幹事長と討論。二十一世紀の日本の進路をめぐり各党の立場の違いが浮き彫りになりました。市田氏のほか出席者は、自民・安倍晋三、民主・岡田克也、公明・冬柴鉄三、社民・福島瑞穂、保守新・二階俊博の各氏。


選挙戦にどうのぞむか

財界主役、米国いいなり――この二つの大改革を

 「日曜討論」では総選挙にのぞむ基本的姿勢を問われ、市田氏は「いま、くらしと平和に国民が大変な不安を感じています」と述べ、第一に「自民党、公明党中心の政治の大もとにメスを入れ、財界主役からくらし応援の政治に切りかえる」ことを主張。第二に、「アメリカいいなりをやめ、イラクへの海外派兵、占領支援の負担をやめる。二十一世紀、いつまでも日米安保絶対でいいのか。自主的な対等平等の日米関係にしていく必要がある」とし、「そういう二つの大きな改革を訴えていきたい」と語りました。

 各党は、「さらに改革を進める」(安倍氏)、「民主党(政権)にかえて国を立てなおす」(岡田氏)、「年末までに年金改革」(冬柴氏)、「改憲を食いとめる」(福島氏)、「党は小さくともしっかり主張」(二階氏)とそれぞれの立場を述べました。

市田 ムダな高速道つくらない

公明 9342キロ原則的に建設する

道路公団改革

 「日曜討論」では、道路公団問題が取り上げられました。

 市田氏は、「道路公団問題の一番の問題は経営形態ではない」と指摘。改革の方向として、(1)ムダな高速道路をこれ以上つくらない、今ある計画は一時凍結し、見直す(2)四十兆円の借金を民営化によって国民負担にするやり方はしない(3)四公団で二兆五千億円の通行料金収入を維持管理費にあてながら、借金返済にあてる(4)天下りやファミリー企業をやめさせると主張しました。

 これに対し冬柴氏は、高速道路整備計画に基づく九千三百四十二キロの建設枠について「法的安定性から考えても、軽軽にやめるというべきではない。原則的に守っていくべきだ」と高速道路建設に固執。二階氏は「この程度をやるくらいの国力は日本にはある。つくりつづける」と宣言しました。

 また、市田氏は道路特定財源について「特定の目的にしか使わない税金自身が異常であり、この財源がムダな道路をつくりつづける温床になっている」と一般財源化を主張。民主党の「高速道路原則無料化」の案にたいし「将来的には無料にしていけばいいが、優先順位がある」と述べ、道路特定財源を「一般財源化したら、社会保障や年金(の国庫負担)を二分の一に引き上げる財源にあてるべきだ」と述べました。

市田 政治も社会もとりくみを

自民 “基本法は考え直す”

教育問題

 「報道2001」で、教育問題について市田氏は、「いまの子どもの不安の原因として、社会が非常に殺伐としている。長時間労働のもとで、家族そろって夕食が食べられないという問題がある」と述べ、政治の責任だけでなく、社会全体で取り組むべき問題があると述べました。

 さらに性や暴力の情報から、子どもが守られていないことや「自分が大切にされている」という感情を持てないでいる現状を指摘。「もっと子どもの権利を尊重して、発言権を認め、社会に参加させていくことが非常に大事だ。(日本の)競争教育は国連からも『異常だ』といわれている。そこで、子どもの心が傷つけられていくわけで、もっと基礎的な学力、情操、市民的道徳をきちんと身につけられるような教育に改めていくべきだ」と述べました。

 教育基本法について、安倍氏は「どのように変えていくかは議論が必要」として、あらためて「改正」の姿勢を強調しました。岡田氏も「教育基本法は議論したらいい」と述べました。

 これに対し、市田氏は「教育基本法にいまの教育の荒廃の原因があるのではない。教育基本法を貫いてこなかったところに問題がある」と主張。「教育条件の整備を政府がさぼってきた。教育予算は、ヨーロッパに比べて日本は七割くらいだ」と批判し、三十人学級の実現など教育条件に国がもっと責任をもつべきだと主張しました。

市田 国庫負担1/2にすぐ上げよ

他党は実施を先送り

年金

 「報道2001」では、年金、消費税をめぐる問題が焦点になり、市田氏は、当面の年金改革の問題として、基礎年金国庫負担の三分の一から二分の一への引き上げについて「これをやらずに何がマニフェストか」と指摘。法律に明記されている通り、来年実施することを主張しました。財源については、消費税増税や負担増ではなく、「公共事業のムダを削ったり、道路特定財源の一般財源化、軍事費削減という形であてる」ことを提案しました。

 安倍氏は、国庫負担引き上げの時期さえまったく示さずに「(引き上げに必要な)二兆七千億円ぐらいの財源をどうするか、みんなで知恵をだしていかなければいけない」という無責任な態度に終始。野党も、岡田氏は「二分の一に上げるのを五年間でやる」、福島氏は「二〇一〇年まで」と、実施の先送りを容認しました。

 公明党は、「年金100年安心プラン」のなかで、〇八年度まで実施を先送りしています。

市田 “福祉破壊税”と反対

自民、民主 増税を主張

消費税増税

 将来的な年金財源の問題で、市田氏は、「経済民主主義の原則を貫き、高額所得者や大企業に応分の負担をしてもらう」こと、「基礎年金部分を発展させて、最低保障年金制度をつくり、国庫と事業主負担でやっていく」ことを提案。消費税増税でまかなうやり方は「所得の低い人ほど重くかかるわけで、福祉破壊税であり、絶対にすべきではない」と強調しました。

 安倍氏は「社会保障給付の増大に対応するには、基本的には消費税だろうと思う」、岡田氏も「(基礎年金の国庫負担を)二分の一から百%にするというところは、消費税に頼らざるをえない」と、いずれも消費税増税を主張しました。

市田 派兵やめ国連中心に支援

自民 “必ず自衛隊を送る”

イラク派兵

 「日曜討論」では、イラクへの自衛隊派兵、資金協力問題が議論になりました。

 市田氏は、司会者の「自衛隊派遣にも資金負担にも反対では国際社会で孤立しないか」との質問に対し、「国連が中心になって医療や教育、保健などにお金を出すことは否定しない」と主張。「問題はアメリカがいま事実上(イラクを)占領しているわけで、その占領行政の支援のためにお金を出すのは反対だということだ」と述べました。

 自衛隊派兵の問題では、公明党などが「派兵」ではなく「派遣」だなどとごまかしていることについて、五月一日の大規模戦闘の終結宣言後もイラク全土が戦場になっていることを指摘。「『派兵』ではなく『派遣』だというのは、戦前『撤退』を『転進』、『侵略』を『進出』と呼び替えた(のと同じ)詭弁(きべん)だ。イラクでは毎日戦闘が行われ、死者が増えている。そこに武装した自衛隊を出すのは、『派遣』などではなく『派兵』そのものだ」と強調しました。

 安倍氏は「われわれは必ず自衛隊を派遣する」と強調。岡田氏は国連安保理決議がなされた場合、「新たな法律を作って、自衛隊を憲法の枠のなかで、武力行使しない範囲、後方支援的な活動で出すことは考えていい」と述べ、「PKO法から飛び出て」も自衛隊の派兵について検討する考えを示しました。

 司会に「日米関係をどう考えるか」と問われ、冬柴氏は「日米安保は外交の基軸だ」と主張。岡田氏も「日米同盟は非常に重要だ」と述べました。

 市田氏は「戦後六十年近くたつのに、首都東京に米軍基地が置かれている。軍事同盟反対が世界の流れだ」と述べ、国連加盟国の60%が非同盟諸国首脳会議に参加していること、アジアの二十三カ国のうち米国に軍事基地を置かせているのは、いまや韓国と日本だけであることを指摘。「二十一世紀にいつまでもそういう(日米安保絶対の)関係を続けるのは本当に古い発想だ」と述べました。

市田 雇用守るルール確立こそ

自民 失業減ったとごまかし

雇用経済

グラフ

 リストラ、倒産、失業という雇用問題にどうこたえるのかが「報道2001」で大きなテーマになりました。

 安倍氏は、「この三年間で二百万人の雇用を創出した」と胸を張り、「構造改革」のスピードを上げていった結果失業率は下がった、と開き直りました。

 市田氏は、「二百万人雇用が増えたというが、別の産業で減ってサービス業に移っただけ。この三年間で雇用者数は三十三万人減っている」とごまかしを指摘。「いまの雇用問題は天災ではない。自民党、公明党のこれまでの政治が、大企業のリストラを野放しにし、不良債権の処理を強制的にすすめるなかで中小企業はどんどんつぶされて、失業者が人為的につくられてきた」と批判しました。失業率についても「失業率は高止まり。安倍さんは国民の気持ち、実態をつかんでいない」と指摘しました。

 サービス残業をなくすだけで百六十万人分の雇用が生まれることも示し、「長時間労働の規制、リストラの野放しをやめさせる、ヨーロッパで当たり前のルールをつくっていくことで雇用を確立していくことが必要」と主張。若者の雇用問題について、「日本社会の発展にとっても重要な問題。大企業と政府が問題解決のために責任を果たす必要がある」と強調しました。

 「サンデープロジェクト」で市田氏は、安倍氏の「経済回復」論についても、「大企業の製造業を中心にやや上向きになっているだけ。しかも『減収増益』といって大規模なリストラ、人減らしによるもので、アメリカ頼み、輸出依存だ」と指摘。「GDPの六割を占める家計を温め、雇用不安をなくし、社会保障の負担増をやめ、中小企業を育成すべきだ」と主張しました。


共産党は拉致問題を真っ先に取り上げた

市田氏が安倍発言を批判

 日朝問題に関連して安倍氏は、五月の日米首脳会談のさい、ブッシュ米大統領が拉致問題で日本を支持すると述べたことをあげ、拉致問題があるから日米同盟が重要だと強調。「共産党も少しは(米国を)見習ってもらいたい」と不見識な発言を行いました。

 これにたいし、市田氏は拉致問題について、「われわれは(拉致被害が)行方不明者といわれていた時代から北朝鮮の犯行の疑いが濃いと、国会でこの問題を真っ先に取り上げて、当時の国家公安委員長にはじめて『北朝鮮による拉致の疑いが濃厚』と認めさせた」ことを指摘。一九八八年三月の橋本敦議員の参院予算委員会での質問以来、一貫して拉致問題解決のために取り組んできたことを示し、日本共産党が拉致問題に取り組んでこなかったかのような安倍氏の不見識な発言を「許されない」と批判しました。

 また、「北朝鮮の国際的な無法の数々に一貫して反対してきた自主独立の党だ」とのべ、ラングーン事件(八三年)、日本漁船銃撃事件(八四年)、大韓航空機爆破事件(八七年)など北朝鮮の無法をきびしく糾弾してきた日本共産党の立場を明確にしました。