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2003年9月29日(月)「しんぶん赤旗」

NHK「日曜討論」

市田書記局長の発言

(大 要)


 日本共産党の市田忠義書記局長は二十八日、NHK「日曜討論」に出演し、臨時国会への対応などについて各党幹事長と討論しました。出演はほかに自民・安倍晋三、民主・岡田克也、公明・冬柴鉄三、社民・福島瑞穂、保守新・二階俊博の各幹事長。司会は山本孝NHK解説委員。


国会論戦通じ総選挙の争点うきぼりに

 はじめに臨時国会にのぞむ姿勢を問われ、市田氏は次のようにのべました。

 市田 今度の国会は総選挙に連動する国会ですから、総選挙の争点を国会の論戦を通じて堂々とつくり出していく、そういう骨太の論戦をやりたいと思っています。

 (小泉首相の)所信表明演説を聞いて、どこの国の総理かと(思いました)。政府の統計でも、国民の67%が生活不安を感じているという状況のもとで、“雇用はよくなった、倒産も減っている”ということを言われた。これは数字上も違います。この間、完全失業者だけでも二十六万人以上増えているわけです。

 イラク戦争の問題も、アナン事務総長が国連総会で“ああいう先制攻撃は国連憲章への挑戦だ”と言っているときに、イラク戦争の大義が何だったかという問題についてもほとんど論及されていない。こういう問題を含めて、アメリカいいなりの政治でいいのか、国民の生活不安を取り除き、くらしを応援して個人消費を拡大するというところにこそ力を注ぐべきだという論戦をおおいにやっていきたいと思っています。

「改革の成果」――国民の実感や事実と全く違う

 小泉「構造改革」への評価を問われ、安倍氏は「十二カ月連続、前年同月比を倒産件数が下回っている。失業者の数も減ってきている」として、「改革の成果が出てきている」などとのべました。市田氏は、次のように指摘しました。

 市田 株価が落ち込んだときは、総理は「一喜一憂するな」とおっしゃったんですよ。経済指標が最悪になったときにも「一喜一憂するな」などと言っておいて。

 安倍さんは都合のいい数字だけをあげられたと思います。たとえば雇用は、サービス業で二百万人増える見込みだと所信(表明演説)で言われました。二百万も雇用が増えて、どうして小泉内閣の三年間で、完全失業者が二十六万人も増えるのか。それは、別の産業からサービス業に移動しただけの話です。しかも、非正規のパートだとか派遣に置きかえられただけの話だと思うのですね。

 雇用者数は三年間で三十三万人減っているんですよ。自営業者と雇用者数を合わせると九十万人減っている。私は実感だけではなくて、数字がなによりも「構造改革」の行きつく先を示していると思います。

 勤労者の収入は、この六年間で七十万円減っている。結局、不良債権の処理を急ぐといって、倒産、失業をつくりだし、社会保障の改悪で国民負担増を押しつけた。庶民増税を押しつけた。四兆円の負担増です。国民のふところをあたためるというところに力を注いでこなかった結果がこういう形であらわれているわけで、都合のいい数字だけをちょっととりあげて良くなったというのは、国民の実感とも事実とも全く違います。

 さらに、小泉内閣がすすめる「三位一体改革」について、市田氏は次のようにのべました。

 市田 「三位一体」と言っていますが、一番のポイントは補助金カットです。

 補助金のなかには、確かにむだな公共事業に道をつけるものもあります。しかし、法律で定められた国庫負担金が七割から八割を占めているんですよ。義務教育の負担金や、老人ホームをつくるとか。そういうところまでカットする。要するに、地方分権だといいながら地方を苦しめるようなことばかりやるというやり方は、私たちは反対です。いまのやり方は地方分権には値しません。

税金の使い方を改め年金の確立を

 つづいて、二〇〇四年の「年金改革」について、市田氏は次のように指摘しました。

 市田 “負担増・給付減。財源がない。もし守ってほしいなら消費税で”という意見が、財界から大合唱ですよね。そうではなくて、むだな公共事業を削る。いま国と地方を合わせて公共事業が四十一兆円、社会保障が二十五兆円ですが、社会保障を予算の主役にすえる。国庫負担金三分の一を二分の一に引き上げるのに二・七兆円(が必要)ですよね。これをきちんとやる。

 それから、保険の支え手がいま崩れていっているわけですから、雇用をきちんと拡大する。それから積立金を計画的に取り崩していく。私はなによりも、これを消費税でやるのではなくて、むだな公共事業をはぶいて社会保障を予算の主役にすえる、あるいは世界第四位の軍事費が五兆円、そこを削って、増税なしで、税金の使い方を改めてきちんとした年金(制度)を確立していくことが求められていると思います。

武力でテロなくせない、テロ特措法延長に反対

 臨時国会の焦点となっているテロ特措法の延長案について、安倍氏は「何がなんでも成立させないといけない」と強調。十分な審議ができるのかという指摘に、冬柴氏は「(審議が)熟したら採決をしたらいい。(十月)十日までに熟するだろうと思っている」とのべました。

 岡田氏は「しっかりした議論が必要だ」とのべつつ、自衛隊は一定の役割を果たしており、政府が説明責任を果たせば「自衛隊を出すことも視野にある」とのべました。市田氏は次のように指摘しました。

 市田 二つあります。戦争や軍事力でテロがなくせるのか。これは、アフガンやイラクの状況を見ても明白だと思います。国連の事務総長が七月二十三日に「アフガンの治安はいっそう悪化している」(とのべている)。国連の支援部隊や国際的ないろんな支援部隊が撤退しているんですよ。それほどいま治安が悪化している。しかもビンラディンもつかまっていない。アルカイダのネットワークもいまだに世界に拡散している。

 「防衛白書」を見ますと、テロ勢力が世界に拡散しているといわれているわけです。だから、戦争や武力によってテロをなくせないというのは、アフガンの実態が示しています。それに協力するための自衛艦の派遣というのは、もう撤退すべきだ。

 もう一つは、法の目的を超えて、イラク戦争に協力・加担していた。これは米軍の機関紙、ホームページにも載せられていました。そういう問題の検証を徹底してやって、解散がこの日だと、逆算して適当に審議して終わってしまうということには、絶対に反対です。こういう検証をやったうえで、われわれはこの法案に反対していきます。

問われるイラク戦争の大義、与党の責任

 つづいて、イラク戦争の是非が話題になり、市田氏は次のように指摘しました。

 市田 今度のイラク戦争が不当な、間違った戦争だったというのは、アナン国連事務総長自身が国連総会の演説で明言しているんです。この声に小泉総理は耳を傾けるべきです。

 それから、戦争の大義だといわれた大量破壊兵器、アメリカの調査団が五月から千五百人行っているんですよ。近く中間報告がされますが、大量破壊兵器は見つからなかったという報告がされるといわれている。“大量破壊兵器をなくすため”だと全部与党の側はおっしゃっていたわけで、私はその責任が問われると(思います)。

 その米英の占領軍に協力するために自衛隊を派遣することになると、その泥沼に日本も身を沈めることになると思います。私は、アフガンのテロ特措法の問題も、イラクの問題も、武力や戦争によってテロはなくならないということを示しているわけで、そういうやり方はやめるべきだと思います。

安倍氏の中傷に反論

 これに対して安倍氏は「市田さんの話をうかがっていると、まるでサダム・フセインが立派な人みたいに聞こえてくる」などと中傷しました。市田氏は次のように反論しました。

 市田 自民党の幹事長ともあろう人が、私が言っていないことを公共の電波を通じて言ったらだめですよ。サダム・フセインが正しかったなんて、私は一言も言っていないわけで、サダム・フセインが独裁者で、ひどい政治をやってきたということはわれわれも知っています。

 だからといって、それを外国から介入してその政権を転覆させる権利はない。その政治を変える権利はイラク国民にしかないんですよ。あなたは一言もこの戦争の正当性について説明できなかった。サダム・フセインがひどいといっただけです。発言を取り消すべきです。

 最後に、今度の総選挙で何を訴えるかを各党が発言。市田氏は次のようにのべました。

 市田 自民党政治の大本にメスを入れる。自民党政治を変えてほしいという願いにこたえる。とくに憲法改悪、公然と小泉首相は改憲の指示をされたわけですから、憲法改悪阻止、消費税増税反対という立場でのぞみます。