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2003年6月30日(月)「しんぶん赤旗」

NHK日曜討論 市田書記局長の発言(大要)


 二十九日のNHK「日曜討論」で日本共産党の市田忠義書記局長が行った発言(大要)は次の通りです。出席者は市田氏のほか、自民・山崎拓、公明・冬柴鉄三、保守新・二階俊博、民主・岡田克也、自由・藤井裕久、社民・福島瑞穂の各幹事長。


 市田氏は、イラク特措法案の評価を問われ、次のようにのべました。

人道復興支援でなく軍事占領支援の本質明白

 市田 人道復興支援ではなく、軍事占領支援法案だという本質が、わずかの審議の中でも明白になったと思います。米軍の大規模な掃討作戦にも「安全確保」のための支援ということで自衛隊が活動することもありうるという答弁もあります。人道復興支援というなら、国連の事務次長をやっている大島(賢三)さんは、“自衛隊はかえって人道支援のじゃまになる”とおっしゃっている(「朝日」二十七日付)。やるべきことは人道復興支援であり、軍事占領支援は事態の泥沼化に加担していくことになります。

 もう一点、この法案は虚構の上になりたっていると思います。非戦闘地域しかいかないと(政府は)言うが、非戦闘地域なんてないということを現地の(米軍)司令官が言っている。こういうごまかしで法案を通すことは許されません。

  市田氏は、戦闘地域と非戦闘地域の区分が可能かどうかと問われ、次のようにのべました。

戦闘地域と非戦闘地域の区別はごまかし

 市田 非戦闘地域は、法案が成立してから現地に行って調べるという政府答弁もありました。戦闘地域と非戦闘地域の区別はもともとしようがないと知っている上で、憲法違反のそしりを免れるために、意識的にありえないことをつくって、大丈夫だと言っている。現地の状況に一番詳しい米占領軍の司令官が(「全土が戦闘地域だ」と)そういうことを言っています。

 五月一日にブッシュ米大統領が戦闘終結宣言をやりましたが、それ以後、米英軍が一日一人平均で死んでいる。現にそういう戦闘が行われている証拠です。戦闘とは(法案のように)“国または国に準ずる者が組織的計画的にやった行為”だけだとすれば、イラク中が全部、非戦闘地域になってしまう。これはごまかしの論理です。

 それと、この法案は、イラク戦争が正しかったという前提でできています。しかし、あの戦争は、国連憲章違反の、アメリカがどこからも攻撃を受けていない、国連で武力行使容認決議がいっさいないもとでやった先制攻撃でした。大義といわれた大量破壊兵器はいまだにみつかっていない。小泉首相はメルマガで(イラクの大量破壊兵器の保有を)断定しています。この問題をはっきりさせるべきです。

  これに対し、山崎氏は「与党調査団の報告では治安は急速に回復している」と主張。冬柴氏は「毎日一人ずつ殺されるということがあったって、アメリカの大都会でもある」とのべました。岡田氏は「治安は非常に悪い。戦闘行為が続いているといっても間違いない」とのべました。

  法案の「修正協議」が議論になり、民主党の岡田氏は法案への賛否の基準として、「イラク国民から(自衛隊派遣の)ニーズ(要求)があるかどうか。それと憲法との関係だ」と主張。また、国会による自衛隊派遣の「事前承認」が必要だとしました。二階氏は「すでに十五カ国の軍隊が現場にいっている。法律の成立が承認だ」とのべました。

 市田氏は、法案が成立することで国会の事前承認になるとの与党側の議論について、次のようにのべました。

“圧倒的な世界の国々が派遣”は成り立たない議論

 市田 それはまちがいです。細かなことは全部先送りし、たとえば米軍への協力はどういうニーズがあるかによって考えるとか、戦闘地域も法律が成立してから調べるなど、あいまいなことを言っています。

 ただ、事前承認にしたからといって、この法案の本質がかわるわけではありません。(冬柴氏「議論したってしょうがない」)

 何言っているのですか。法案の本質が変わらないということを言っているのですよ。“議論したってしようがない”なんて暴言ですよ。

 それと、十五カ国が軍隊を派遣していると言うけれども、圧倒的な国は派遣していない。しかも国連安保理常任理事国五カ国のうち、派遣しているのは米英だけです。圧倒的な世界の国々が軍隊を出しているのに、日本だけなんだという論理は成り立たない。ごく少数の国が派遣しているのであって、それに右にならえする必要はまったくないと思います。

  山崎氏は、イラク特措法案とテロ対策特措法延長案の二法案とも今週中の衆院通過をはかる考えを示しました。

 議論は、小泉内閣が閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太方針第三弾)にうつり、市田氏は次のようにのべました。

「骨太方針」は国民の元気を枯れはてさせる

 市田 骨太方針の三つの宣言を読んだら、“元気な日本経済を取り戻すためには民間のもてる力を引き出す必要がある”“老後の不安があっては元気な日本経済は生まれない”“財政が破たんする恐れ、その心配がある以上、日本経済はよくならない”(と書いてある)。ぬけぬけとよく言えるものだと、率直にいってあきれました。“元気な日本経済”どころか、国民の元気を枯れはてさせるというのが、今度の骨太方針の第三弾だと思います。

 この二年間で、(小泉政権は)不良債権処理を最優先して、倒産と失業を増やし、失業者は三十七万人増えています。中堅中小企業への融資は減る。不安をなくすどころか、医療費の自己負担は健保本人三割負担、所得税、発泡酒の増税などで全部で四兆円の国民負担増をやり、国民の所得は失業とリストラでどんどん減って、税収が減るのは当然です。国の借金は六百六十八兆円で、一年前とくらべ六十一兆円増えています。

 逆のことばかりやっている反省はまったくしないで、不安をいっぱいもたらす政策ばかりやっている。民間需要の一番大事なポイントである家計をあたためるという方針は、今度の骨太方針にまったくない。それが欠けた方針です。