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2003年6月16日(月)「しんぶん赤旗」

NHK日曜討論 市田書記局長の発言(大要)


 日本共産党の市田忠義書記局長が十五日放送のNHK「日曜討論」でおこなった発言(大要)は次の通りです。番組には、市田氏のほか、自民・久間章生政調会長代理、公明・北側一雄政調会長、保守新・井上喜一政調会長、民主・枝野幸男政調会長、自由・藤井裕久政調会長、社民・大脇雅子政審会長が出席しました。司会は、NHKの影山日出夫解説委員。


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「日曜討論」に出演する市田書記局長(左から2人目)=NHKテレビから

 自衛隊の海外派遣について、久間氏は「各国とも軍隊を出している。わが国も、民間に任せるだけでは済まない」などと正当化しました。枝野氏は「とにかく自衛隊を出すということだけ決める。このプロセスに違和感を感じる」とのべました。

 市田氏は、次のようにのべました。

イラク復興支援ではなく米英軍支援法案

 市田 私は(自衛隊を)出す必要はまったくない。今度の法案は、二つ大きな問題があると思います。イラクの復興支援ではなくて、米英軍の軍事占領支援法案だといえます。

 いまイラクの状況は、国連憲章違反の無法な戦争をやって、米英軍が軍事占領をやっているわけですが、フセインもいやだけれども、やっぱりイラクの復興はイラク人の手でということで、米英軍に対する批判もかなり強い。それに対して、掃討作戦と称していろんな弾圧などもやられて、死傷者も出ているわけです。

 その無法な戦争と軍事占領を追認して、そこに自衛隊を合流させる。これは、(法案の)三条一項二号に明確に書かれていることで、そういう問題がある。

 もう一つは、現に戦闘がおこなわれている地域に地上軍を派遣するというのは、戦後初めてだと思います。アメリカの占領軍の司令官でさえ「イラク全土が戦闘地域だ」と言っているわけで、そこに自衛隊が行って、その占領軍を支援するわけですから、憲法で禁じられている海外での交戦権の行使だし、武力行使につながる。

 やはり、イラク復興のあり方というのは、国連中心の人道支援に徹するべきだと思います。

 藤井氏は「(自衛隊が)軍政に入っていくのはおかしい」と発言。大脇氏は「自衛隊派遣自体に反対だ」とのべました。

 政府・与党がイラク戦争支持の「根拠」とした大量破壊兵器が見つかっていない問題で、北側氏は「イラクは日本の国土の一・二倍。(発見は)簡単にできることではない」とのべました。

 市田氏は次のように指摘しました。

大量破壊兵器、「ある」と断定した責任を

 市田 あの戦争が国連憲章違反の先制攻撃だったということは明白です。(イラクが)大量破壊兵器を持っているという「疑い」があるというだけで、ああいう先制攻撃をやったわけです。

 しかも、クエスチョンタイム(党首討論)では、小泉総理自身がメールマガジンで、「疑い」ではなく、「大量破壊兵器を保有している」「全世界対大量破壊兵器を保有しているイラクとの戦いだ」と明言していることに対して、(日本共産党の志位和夫委員長が)「根拠を示しなさい」と言ったら、(小泉首相は)「フセインが見つかっていないからフセインがいないという証明になるか」という。まったくの詭弁(きべん)で、これを見ていた人が「一国の総理が言う言葉か」と。

 「大義」といわれた「大量破壊兵器」そのものがあるかないかも分からないということになっている。それを(小泉首相はある、と)「断定」した。しかも、そういう立場で(イラク戦争に)賛成したわけですから、小泉内閣と同時に、政府・与党にも責任があると思います。その点について、はっきりさせる必要がある。

 法案にある「戦闘地域」と「非戦闘地域」の区分について、久間氏は「部隊同士がぶつかっている状況は限られている」と発言。武器・弾薬の輸送について、北側氏は「運んではならないとすると、段ボールの中を全部チェックしなければならなくなる」と合理化しました。

 市田氏は次のようにのべました。

「戦闘地域」「非戦闘地域」の区分は不可能

 市田 そういう技術論で、この問題を論じたら駄目だと思います。

 まず、前提になる「戦闘地域」と「非戦闘地域」とおっしゃるけれども、米占領軍の司令官自身が「全土が戦闘地域だ」と(いっている)。しかも、現実に毎日、死傷者が出ているわけです。

 しかも、ある日、「非戦闘地域」だったところが「戦闘地域」に変わることだってあるわけです。「主体的に判断する」と言いましたけれど、戦争をやっているのは米英軍ですから、日本が主体的に判断しようがない。

 その米英軍に、武装した米兵や武器・弾薬まで輸送するということになれば、相手からみれば、米英軍の側に日本の自衛隊が立っているということになるわけですから、当然、怒りの目も向けられるだろうし、日本が輸送した武器・弾薬によって、イラク国民が殺傷されるということだって起こるわけですから、やってはならないことだと思います。

 また市田氏は、法案に盛り込まれている武器使用基準の緩和について「われわれは、自衛隊の派遣そのものに反対だ。憲法九条を持っている日本が、外国での自衛隊の武器使用基準を持っていること自身が矛盾だが、緩和しろ、という話が出ていること自身、それほど(イラクが)危ないということだ」とのべました。

北朝鮮の無法をあらためさせる強力な外交を

 北朝鮮に「圧力も有効だと考えるか」と問われ、市田氏は、次のように答えました。

 市田 圧力の中身が定かでありませんが、私は、もっと強い、道理をもった強力な対話を進めることが前提だと思います。

 北朝鮮の核開発問題で、いま大事だと思っているのは、北朝鮮がああいうことを言い出している「論理」、要するに、軍事力を強めること、核武装をすることが北の安全保障にとって一番のカギだという、この考え方ですね。そうではなくて、北朝鮮の安全にとって一番大事なのは、麻薬だとか拉致だとか、数々の国際的な無法、そういう問題について清算していない。だから、国際社会の仲間入りできないわけですから、そういう問題についてきちんと清算することが、北の安全保障にとって一番大事だということを、強力に国際社会が説く必要があるし、日本の場合は、「(日朝)平壌宣言」の当事者であるわけですから、その立場で、強力に説いていく必要があるというのが、基本だと思います。

 「圧力」には、政治的圧力、外交的圧力もあるわけですから、「圧力」一般を、すべて駄目というわけではないですけれども、その中身がやっぱり問題だと思います。