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2002年12月10日(火)「しんぶん赤旗」

NHK「日曜討論」

市田書記局長の発言(要旨)


 日本共産党の市田忠義書記局長は八日のNHK「日曜討論」で、イージス艦の派遣決定や小泉内閣の経済政策について発言しました。討論には、自民党の山崎拓、公明党の冬柴鉄三、保守党の二階俊博、民主党の中野寛成、自由党の藤井裕久、社民党の福島瑞穂の各幹事長が出席しました。

イージス艦派遣――どこからみてもイラク支援

 政府が決定したイージス艦派遣について山崎氏は、「(他の)護衛艦に比べ環境がいい。インド洋は四十度を超える」と“自衛隊員の居住環境改善”などを指摘。市田氏は、「こんなごまかしで国民が納得するはずがない」と次のようにのべました。

 市田 この時期に(イージス艦を)出すのは、アメリカのイラク攻撃支援のためというのが、どこからみても明白だと思います。

 山崎さん自身、(十一月二十七日に東京都内での)講演のなかで“新規立法で(米国の)イラク攻撃の応援をすることは不可能だ”“テロ特措法の範囲でイラク攻撃支援に浸透する。そのためにインド洋やペルシャ湾で活動している自衛隊の活動を高めて、事実上浸透させる”といっている。

 世界が国連安保理の一四四一決議にもとづいて、国連の枠組みで平和解決をやろうとしているときに、そういう国際的な協力の先頭に立つのでなく、イージス艦派遣を決めるのは論外です。

 討論のなかで山崎氏は、アーミテージ米国務副長官の訪日などを意識しての対米支援強化について、「判断の材料になかったかというと、なかったとはいえない」と発言。「イラク攻撃を想定したものではないのか」との司会の質問に、「そういう面もあるかもしれない」と述べました。

 イージス艦派遣が集団的自衛権の行使にあたる問題について、与党側が「インド洋は戦闘と関係のないところでテロ特措法で(自衛隊艦船を)出している」(冬柴氏)、「キャッチしたわが国の情報を米軍が解析し、みずから確認しなければ行動はしない」(二階氏)などと発言したことに市田氏は次のように述べました。

 市田 今までの護衛艦も、米軍にリアルタイムで情報提供している。それ自体も問題で、テロ特措法にもとづく派遣自体が間違いです。しかし、今度はまったく質的に違います。

 イージス艦の性能は、半径数百キロの範囲で二百カ所以上からとんでくる飛行物体を瞬時に探知、識別して、しかも優先順位までつけ追尾する。それを同時に十個以上、百キロの射程距離で自動的に攻撃できるミサイルを搭載している。単に探知能力だけでなくて、そういう攻撃能力も持っています。

 情報を使うことはアメリカにゆだねられています。情報の「提供」というよりも、情報の「共有」といったほうがいい。リアルタイムでレーダースクリーンに映し出される。同じ画面をアメリカのイージス艦、日本のイージス艦がみながら共同作戦をやるわけだから、「憲法の範囲内」で「集団的自衛権の行使にあたらない範囲内でやる」なんて、とうてい無理なものです。イージス艦のシステム自身がそこを超えたものです。

多年度税収中立――庶民にとっては増税一本やり

 小泉内閣の国債発行三十兆円枠の突破や補正予算編成をめぐり、与野党から「政策転換」「政策強化」の言葉が飛び交うなか市田氏は、次のように述べました。

 市田 言葉のもてあそびをやっていたらあかんと思うんです。

 いま国民の暮らし、中小企業がどういう状態にあるか。企業倒産は年間二万件を超えている。(完全)失業率は5・5%で三百六十二万人。国民の年間所得は九兆円の落ち込みです。こういう事態で「デフレ対策」だといってデフレを加速させる不良債権処理を加速させる、社会保障のあらゆる分野で三兆円の負担増でしょ。「デフレ対策」といいながら、デフレ加速策をやるんだから、支離滅裂で破たんも行き詰まりもいいところです。

 いまこそ三兆円負担増をやめて、雇用や失業対策、中小企業対策に力を入れるべきです。今度の補正予算の内容をみても、またぞろ公共事業の積み増しでしょう。本末転倒だし、逆さまです。

 また、来年度予算案で重点をおくべき内容や、冬柴氏が増減税を数年間で一致させる「多年度税収中立」に言及したことについて市田氏は、次のように発言しました。

 市田 何よりも暮らし、福祉優先だと思います。先ほど、減収のために国債発行うんぬんの話がありましたが、景気を悪くさせることばかりやってきたから税収が減っているわけでしょう。国民の暮らしを応援する方向に向かわなかったら税収も増えないと思います。

 「多年度税収中立」の話がありましたが、だれにとっての中立か。それは財務省にとっての中立で、庶民にとっては増税だけです。

 先行減税をやるけれども、これは増税予約付きの減税で、しかも減税は全部企業減税。予定されている増税の中身でいえば、特定扶養控除とか、配偶者特別控除などをやめてしまうだとか、外形標準課税の問題もある。消費税の免税点を三千万円から一千万円に引き下げる。要するに、国民と庶民と中小企業には増税で、大企業には減税です。それは形のうえでは中立になっても、庶民にとっては増税一本やりではないか。そんなことをやったらますます景気が悪くなると思います。