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ラジオ日本

「長野裕也の『政界キーパーソンに聞く』」

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 日本共産党の市田忠義書記局長は8月11日、18日放送のラジオ番組「長野祐也(すけなり)の『政界キーパーソンに聞く』―21世紀日本への提言」(ラジオ日本)に出演し、通常国会の総括や二〇〇三年度予算概算要求基準、日朝交渉などについて見解をのべました。その全体をお知らせします。


(八月十一日放送分)

(長野)ラジオ日本をキーステーションでお送りしています「長野祐也の政界キーパーソンに聞く。21世紀日本への提言」。今朝のゲストは日本共産党ナンバー2の市田忠義書記局長です。
 共産党は結党80年をむかえました。きょうは新しく作られた党本部、JR代々木駅から歩いて4、5分のところにありますが、日本共産党中央委員会をお訪ねしての対談です。
 市田さん、おはようございます。

(市田)おはようございます。

●党創立80年を迎えての感想

(長野)私も3年ほど前に、今の志位委員長が書記局長のときにお訪ねしたことがありますが、たいへん立派な今度はビルができて、いま拝見して富士山も眺望できるような11階建てのすごいですね。
 共産党は80年むかえられたわけですけども、まず、ご感想を聞かせていただけますか。

(市田)そうですね、まずはこの建物のことから言いますと、戦前は「地下活動」を余儀なくされたのに、11階建てで仕事をするとは、まさか想像もしなかったことですからね。

(長野)2期工事ができたら自民党のビルより大きくなるという話しを聞きましたけど。

(市田)力も自民党より大きくならないとダメだと思っているんですけどね。やっぱり、党内外の多くの方々の貴重な寄附でできた建物ですから、その器にふさわしい、80年の「反戦平和」、「国民が主人公の日本」をめざすという、そういう歴史と伝統をしっかり受けとめてですね、器に負けない立派な活動をやっていく必要があるなと決意を新たにしているとこです。

(長野)離合集散が繰り返される日本の政党のなかで、これほど長く存続した政党もないわけですが、共産党80周年については、来週、じっくりいろいろな課題について討論したいと思います。

●共産党の存在感が光った通常国会

(長野)そこで、通常国会終わったわけですが、振りかえられて、通常国会で日本共産党は、国民の期待にこたえられたと自己採点すると、何点ぐらいになりますか。

(市田)そうですね。持てる力、精一杯発揮したという点では100点に近い頑張りできたかなと自負してます。
 もちろん、健康保険法の改悪だとかですね、国民負担増を強いるような悪法が通りましたし、たいへんな国会でしたけども、やっぱり、一番大きな問題、今度の国会では「政治とカネ」の問題がね、大きな問題になりましたよね。
 例のロシア外交を利用して公共事業を食い物にした鈴木宗男さんの問題ですけどね。いまやもう「友好の家」なんて言う人、なくなりましたよね。どの報道機関でも、「ムネオハウス」、それに火をつけたのが、日本共産党の質問だったわけですけども。
 井上前参議院議長、加藤紘一元幹事長ですね、鈴木宗男さん、全部共通しているのが、国民の税金でおこなわれる公共事業の口利きをやって、その見返りに献金を受け取ると。まさに税金の私物化でね、その問題にメスを入れて、鈴木問題については、司直の手が入るところまで追い詰めたというのはね、これはたいへん大きな成果だったなと思ってます。一番大きな問題としてはね。

(長野)特にムネオ問題というのは、やはり共産党のフットワークの良さが、非常に冴えてたところで、一種の内部告発のたれ込みというのか俗に言うと、あれ各党にいったけども、直ちに対応できたのが共産党だけだったということと。
もう一つ、やっぱり、外務省の内部資料をあそこで有効に使われて、あれで一気にムネオ問題に火がついたという意味では、これと有事法案で私は野党のバランスがスタンスというのが、例えば、民主党は党内まとまらずに曖昧なスタンスだったし、自由党はどちらかと言うと集団的自衛権まで認めていくような、自民党よりもっと右の法案をだしていくなかで、共産党のスタンスが特に個人の生命保護が抜けていると言う、一番致命的なところを一番よくつかれていたし、この二つの点で今度の通常国会、共産党の存在感が非常に光った国会だったと私も思いますね。

(市田)先ほどの内部文書の問題で言いますと、他の党にも届けられた文書もあるんですけども、わが党だけに届けられた文書もあるんですね。

(長野)なるほど。

(市田)それで、別に外務省のなかに共産党の支部があるわけじゃないですけど、やっぱり、政党助成金ももらっていないし、企業献金も一円ももらってない。そういう汚れた金と無縁な党だということへの信頼感、それが外務省のなかの人々からの、「この党にこの文書を渡せば、うやむやにしないでニュースソースも明かさずに徹底して追及してくれるんじゃないか」。私、そこへの信頼感があったように思いますね。
 有事法制の問題、先ほど長野さんおっしゃいましたけども、私、やっぱり、一番大きかったのは、日本がどこかから攻められたときにどうするのか。「備えあれば憂いなし」というのが総理の絶えず使う言葉でしたよね。
 しかし、日本がどこかから攻め込まれる可能性なんてほとんどあり得ないというのが、これまでの政府の公式答弁だったわけで、今度の法案が、そういうことじゃなくて、海外でアメリカが戦争、介入戦争をやるときに日本が武力行使をもって協力、参加する。そのために国民を強制動員するというのが、この法案の本質じゃないかということを、論戦を通じて明らかにした。いわば、むこうが作ったニセの土俵を崩したというところが非常に大きかったなあと。

(長野)そこの有事法制に関しては僕は少し理解が違って。いま、市田さんが言われたのは、日本共産党流の解釈で、それはそれで承っておきますが、私は、先進国のなかで、有事法制というものがないことがおかしいなという認識で、きょうはそこは主たるテーマでないので。

●秋の臨時国会に臨む姿勢

(長野)それで有事関連法案といわゆる個人情報保護法案というのが、通常国会では成立しなかったということで、秋の臨時国会、景気対策の問題と、この重要法案を処理をめぐる攻防がはじまっていくと思うんですが、共産党はこの臨時国会にはどういうふうにのぞまれるんですか。

(市田)いま言われた有事法案、これは継続審議になったわけですよね。やはり、政府としては命運かけて提案した法案が、会期延長しても通らなかったわけですから、これは、いろんな策略を凝らして夏休み返上で、成立ねらってやってくると思うんですね。
ですから、こちらもかまえて息の根を止める、そういう闘いをやる必要があるなと思ってます。
 また、臨時国会は、もう一つ暮らしと経済の問題でしょうね。後でまた、予算の問題が話しになるかと思いますが、医療費の改悪で1兆5,000億円の負担増ですから。そこへ、年金、雇用保険、介護などを含めると、だいたい合計しますと、3兆2,000億円ぐらいの新たな負担増なんですよね。
 この暮らしと景気がたいへんなときに、こういうこと果たして許していいのか。暮らしと経済、景気の問題というのは、かなり臨時国会の大きなテーマになるかなと。

(長野)そうですね。暮らしと景気ということになると、来年度の予算の概算要求基準が決まりましたね。これはどういうような評価をなさっていますか。

(市田)私はね、本当にいまの日本の国民の置かれている実態や景気、経済の実態を政府は正確に認識しているんだろうかと、疑いたくなりますよね。
1兆円超える減税をやるというけど、これは誰に対する減税かというと、中味、細かいことはまだ決まってないけど、結局、法人税減税、それから相続税、金融所得税減税でしょ。
 もっぱら黒字の大企業と大資産家の税金を棒引きする。その財源をどこに求めるかと言ったら、所得税の課税最低限を引き下げるとか、将来的には消費税の税率のアップも考える。それから、さっきの概算要求基準で言えば、義務的経費、社会保障や教育ですね、これを大幅にカットする。
 一番削らなければならない公共事業は、わずか3%ですよね。

(長野)加藤さんとか鈴木さんにいった口利き料に相当する部分ですね。

(市田)だから、ほとんど事業の量は変わらないですね。物価下落分ぐらいですから。ムダを削るという観点はまったくない。いっそう、景気冷え込ませる最悪の概算要求基準じゃないかな、と。軍事費なんか聖域でまったく手つかずですし、ムダを削って必要なところに、お金を注ぎ込むというところに切りかえていく必要があると思いますね。

(長野)いろいろ予算の改革の提案も出てるんだけど、結局、相変わらず前年度比の伸び率を基準にしているから、大胆な歳出カットなんてできないんですね、いまの発想では。
 だから、一回、なんというのかゼロベースで洗い直してムダをカットして、そこから減税の財源を生み出すというぐらいの血の出るような努力が必要だと思いますね。

●採点のしようもない小泉内閣

(長野)それにも関わらず小泉さんの人気が支持率が、田中眞紀子さんの更迭以来ずっと低落してたところをね、またちょっとここで持ち直してきているんですね。これはどういうふうに市田さん、受け止めておられます。

(市田)発足当初は7割から8割、9割近い支持率がありましたよね。
 それが低落傾向のなかでの若干の持ち直しであって、その下降気味という流れは変わってないですよね。これはさらに持ち直すということは、私、ありえないというふうに見てます。
 ある新聞の川柳欄に「純ちゃんと叫んだ私が恥ずかしい」(という川柳がのっていた)。「自民党をつぶす」「自民党をこわす」という小泉さんのキャッチフレーズに、いわば喝采を上げて支持が集まったわけだけども、やってることは、旧来の自民党のやり方とまったく変わらないじゃないかということを、だんだん見抜きはじめているんじゃないですかね。そういう感じが私はしますね。
 
(長野)自由党の小沢党首に言わせると、役割分担をしているんだと、抵抗勢力と。カッコいいセリフだけは、月光仮面のごとく小泉さん言っているけども、結局は抵抗勢力が認める範囲のなかのニセ改革しかやってないじゃないかという指摘をされてるんです。
 私は、大学の法学部で政治学を教えて、やっと成績をつけ終わったばっかしですが、首相官邸の取材陣が小泉の通信簿をやった結果、道路なんかは5段階で4なんだけど、政治とカネなんかは1で、平均2・6と言う通信簿を作っているんですが、市田さんから見られたら、小泉さん通信簿をつけるとすると何点ぐらいですか。

(市田)私が教師だったら、点数のつけようがないほどひどい。戦後、いろいろひどい反動的な内閣ありましたけども、やっぱり最低最悪の内閣の一つじゃないかな。

(長野)点数つけるに至らないと。

(市田)至らないですね。

●住民基本台帳ネットワークについて

(長野)市田さん8月5日から、住民基本台帳ネットワークシステムというものがスタートをして、それぞれの首長のなかにもですね、横浜をはじめですね、慎重に対応しているところもあるし、国会でも野党から凍結の法案も出て、自民党からも同調する向きもある。これについては、共産党としてはどういうようなお考えなんですか。

(市田)いまおっしゃいましたように、すでに8月5日から、そんなにたってないのに、全国各地でいろんな混乱が、我々予測してたような例えば、大阪の守口では他人の住民票コードが誤って記載されているというのがわかったとか。
 やっぱり、一番の問題は国民のプライバシーの保護の問題だと思うんですね。11桁の番号を一人ひとりの国民につけて、氏名、年齢、性別、住所、これ全部がコンピューターシステムで国が一元管理するわけですよね、コンピューターというのは絶対安全ということはないわけでね、住基法の改正のときに当時の小渕さん自身が、個人情報の保護ということが前提になるとおっしゃってて、その個人情報の保護が、デタラメな法案しか出されなくて、それが成立しなかったということで、これだけ突っ走るというのは、やるべきでない。
 まともな個人情報保護法案は次の国会で、きちんと成立させ、それまでは(少なくとも)凍結すべきだと思いますね。

(長野)私、もっともらしいと思うんですけどね、ただ、それをいうなら、基礎年金番号システムというのは、すでに5年前から10桁のものがあるんで、プライバシー情報の一元管理のおそれだとか、漏洩のおそれとかいうのであれば、何故、5年前から同じシステム可動している現実を無視した反対論じゃないかなというのを、反対論を聞くたびに思うんですが、その辺いかがですか。

(市田)いろんなところで個人情報が、大事な個人情報が不必要なところへ流れたりですね、防衛庁の個人情報リストの問題にしたって、そういう問題についての不安が高まっているときに、しかも国民が本当に望んでいることだろうかと。住民票が全国どこでも取れる(というが)、いまでも郵送でやれるわけでしょ。それは、本当に住民サービスがねらいなのだろうか、と。首を傾げざるをえない。
 やっぱり、国民を国が一人ひとりの国民を一元的に管理する。知らない間に、自分たちの情報が、いろんなところに流されるということに対するこれだけ多くの人が不安と意見を持ってるわけですから、日本ペンクラブだって反対の声明をあげておられるわけですから、これはやっぱり、何よりも個人のプライバシー保護と言う観点を貫くべきだと思います。

(長野)高度情報社会は避けることのできない時代の流れなんだけれど、いま市田さんが言われた面も否定できない面があるんで、やっぱり政府の丁寧な説明というのは必要なんでしょうね。

ペイオフ凍結の受けとめは

(長野)そこで、話題変わりますが、ペイオフの問題ですね。1千万円までとその利息に限るペイオフの凍結が解除されるということだったんですが、また、これが、見直しを延期するという形できたんですが、これについてはどんな受け止め方ですか。

(市田)私は、いまペイオフ凍結を解除する条件はないと思うんですね。

(長野)ない。

(市田)この4月から定期制預金のペイオフは実施されたわけですけども、どういう事態が起こっているかというと、そのために大銀行に預金が集中して、中小金融機関については、次々破たんしてますよね。それが中小企業に大変ひどい影響を及ぼしている。
 それで、公的資金の投入を受けながら預金者だけは見殺しというのはね、私は、やっぱり間違っているというふうに思うんですね。だから、来年4月からの件は、当座預金だけは、引き続き凍結しようということでしょ。それだけにしないで、普通預金も含めて、私はいま、ペイオフを実施する条件はないというふうに、やってはならないというふうに思います。

(長野)これは与野党こえて、そういう見方も世論調査でも多いですね。ただ、私は、経営体力の弱い金融機関から資金が流出するというけれど、ペイオフを仮に延期したところでね、元もとは700を超える金融機関が多すぎるんで、そういうものが背景にあるんで、ペイオフの問題とそれが、直接つながってくると思えないし、いったん決めたことが、行政に定見がないということで、私はちょっとペイオフの見直しということについて、先送りしたということについて代償が大きいんじゃないのかなあと感じがします。

(市田)定見がないということについては私も同感です。

●北朝鮮の情勢について

(長野)そこで、北朝鮮の問題に入りたいと思うんですが、日朝交渉が近く今月の下旬から再会をされる、と。一方で北朝鮮にはいくつかの動きが出てきて、例えば2年ぶりに外務大臣と会談に応じたり、あるいは韓国との警備艇同士の抗戦事件についても遺憾の意を示したり、南北対話の再開を提案してきたり、内部的には一部、配給制度を廃止したとかですね、いろいろ変化がでてきているんですが、こういう北朝鮮が本当に変わったのか、あるいは日朝交渉というものに対して、どういうふうにのぞむべきだと市田さんはお考えですか。

(市田)そうですね、結論から言いますとね、北朝鮮と日本の関係というのは、対立、冷却から、対話と交流の方向にいまちょっと動き出していると思うんですね。
 対日関係だけじゃなくて、南北朝鮮間もそうですし、北朝鮮とアメリカの関係もそういう流れに、いまなっていっていますから、私は明らかに一定の変化が起こっているということは明白だと思うし、そういう変化については肯定的に日本共産党としては評価している。
 ただ、こういう変化が具体的にどういう結果をもたらすかということは、そこは進行過程ですから、よく慎重に見ていく必要があると思います。

(長野)北朝鮮がいままで動き出したとき、振り返ってみると、自分たちの都合で動いて、自分たちが困ると動き出すんですよね。だから今度、動いてきたのは、アメリカの北朝鮮に対する強硬論と改善が見られない国内経済と言うものが背景にあるのじゃないのかなあ。
 だから、いま市田さんがおっしゃったように、その変化が具体的にどういう動きとなって結果がでてくるのか。これ本当に慎重に見ておく必要があるのかなという感じがしますよね。

(市田)そこはそうだと思います。それから、北朝鮮と日本の関係で例の拉致疑惑問題があります。これはこれで事実に基づいて相手と交渉し、きちんと解決を図る必要がある。同時になによりも国交のルートがないわけですから、これ(拉致疑惑)が解決しないと、国交正常化はないんだということじゃなくて、平行してやるべきだというふうに思いますね。

(長野)私は、そこ若干違って、拉致問題という主権の問題が解決しないうちに、国民世論と言うものが、北朝鮮との国交をのぞんでいるのかなと。

(市田)私は拉致疑惑問題を解決するためには、そういうルートがないこと自身がね、正常な交渉を妨げているんじゃないかなあと思います。

(長野)なるほど。

(市田)おっしゃるように私も、拉致ということがもし事実だとすれば、我々疑惑とよんでいるわけですが、それは事実に基づいてきちんと正していく必要がある問題だと思います。

●田中真紀子さんの問題について

(この部分の収録は、田中氏が議員辞職する前におこなわれたため、放送されなかった。)

(長野)そこで話題変わりますが、先月の24日の衆議院の政治倫理審査会で、田中眞紀子元外務大臣の秘書給与流用疑惑。彼女の名誉はらす舞台であったんだけども、どうも客観的に見てて、田中発言の信ぴょう性というものを疑わせる場面がしばしばあったんですが、市田さんは、これをどういうふうに評価をされ、今後、田中問題に対応されていかれますか。

(市田)あの人は大変歯切れのいい物言いで評判だった人なんですけど

(長野)他人に対してはね。

(市田)この前の政倫審は、きわめて歯切れが悪かったという印象を受けましたね。
 やっぱり、田中眞紀子さんの例の問題の一番の大きな問題は、企業からの出向者を秘書に当てていたと言う問題。本当に秘書としての実態があったのかどうかと言う人もありますよね。これはあの政倫審だけで終わりにしないで、やっぱり、予算委員会の場できちんと参考人、場合よっては、証人ということでやっていくべきだと思うんですね。

(長野)公平と言うのがこの場合大事だと思いますね。

(市田)誰に対しても間違いは間違いということで、のぞんでいくべきだと思うんですね。

(長野)彼女自身のためにも、魅力のある人であるだけに、説明責任を全うされないと明日はないなという感じが正直しますね。

●自殺者三万人は日本社会の深刻な問題

(長野)そこで、日本の一つの社会病理の恥ずべきこととして、自殺が4年連続で3万人超えちゃっているんですね。これ地方都市が毎年ひとつづつ消えていくぐらいのことなんで、本当に世界に恥ずべき社会病理と言う感じがするんですが、これどう受けとめられていますか。

(市田)本当に深刻な問題で、しかも3万人の中味を見ますと、生活苦で自ら命を絶ったという人の割合がものすごく増えているんですね。確か七千人超えて・・・。

(長野)七千人超えてますね。

(市田)2、3年前の調査では確か二千人台だったと思うんですが、それがいま七千人近くなって、しかも、中高年の人が多いんですね。

(長野)これは深刻な問題として政治でも取り上げていかなきゃならないテーマだと思います。

(市田)リストラやその他が、大きな原因になっていると思いますね。

(長野)今朝のゲストは、市田忠義参議院議員です。市田さん、ありがとうございました。
来週も引き続き、市田さんにご出演いただいて共産党80周年に関連して、共産党の様々な課題について討論してまいります。
 お相手は長野祐也でした。


(八月十八日放送分)

(長野)おはようございます。長野祐也です。ラジオ日本をキーステーションでお送りしています「長野祐也の政界キーパーソンに聞く。21世紀日本への提言」。今朝のゲストは先週に引き続き、日本共産党書記局長、市田忠義参議院議員です。
 市田さん、おはようございます。

(市田)おはようございます。

●日本共産党のこと

(長野)共産党は結党80年をむかえられたわけで、いまの体制が、不破哲三議長、志位和夫委員長、市田忠義書記局長のトリオなんですが、お三方とも「うし年」なんですってね。

(市田)偶然なんですけども、私、22回党大会終わった後の記者会見で、なんかちょっとユニークなことを言う必要があるなと考えて、三人の年齢を調べたら、12歳違いということが偶然わかって、よしこれを言おう、と。そしたら、志位さんが、「だからウマが合うんだ」ということを言ったんですけどね。

(長野)なかなかウマがあっておられるようですね。
 そこでですね、身内の話をされるのはちょっと、お話、しにくいかもしれないけど、政治家、人間、「不破哲三」と、政治家、人間、「志位和夫」と言うのを市田さん身近に見ておられて、どうコメントされますか。

(市田)やっぱり、それぞれに共通しているのは、理論とか政策に非常に強いということですね。
 世代的に24歳違うわけで、感覚はそれは違うでしょうね。党活動の経歴や長さも違うわけですから、そういう違い。同時に、若い人には若い人の若い感覚があるでしょうし、それがうまくかみ合うというところが面白いところじゃないでしょうかね。

(長野)いまの体制というのは共産党に対するアレルギーというのか、そういうものが非常に薄まってきて、非常にソフトな共産党、親しめる共産党というようなイメージを与えていることは確かですね。

(市田)まあそういう面も。元もとソフトなんですけどね。原則的で柔らかなとこがあるんですけども、やはり、かつてと違って共産党の日本社会のなかでの位置が変わってきていますからね。
国会や地方議会での勢力も非常に大きくなってきたから、そういうなかで本当に広い国民に理解されるような活動、政策活動をどう強めていくかという点では日々努力してますから、そういう点が親近感を持って受けとめられやすい状況が生まれているのかもしれませんね。

(長野)そのなかで、党員に関しては6月時点で十数年ぶりに四十万人台まで回復をされて、地方議員も四千四百人に達して、党員の首長も十人を持っておられる。
 そういうことなんですが、党勢、党の勢いという意味では一進一退を続けて、むしろ、国政選挙では、昨年の参議院選挙では、五議席で惨敗し、一昨年の衆議院選挙に続く敗北をきせられたわけで、そういう意味で若い党員が少ないとか党員の高齢化とかいろんな問題があると思うんです。
市田さんはそういう意味でたたき上げの党人として、そういう党勢立て直しのキーマンとして書記局長に就任されたと我々は理解をしているんですが、こういう若い世代の対応策も含めた、この党の党勢拡大というか党員拡大、こういうことについては、どういうようなお考えですか。

(市田)先ほど長野さんがおっしゃったように、久しぶりに四十万人台に到達したんですけど、ひところ三十六万人に落ち込んでいたんですよね。94年かな。これは例のソ連や東欧の崩壊なんかの影響を受けたり、実態のない党員を整理したということもあって、かなり減少したんですけども、この半年間だけでも一万数千人の新しい党員を迎えているんですね。
 それから機関紙、「しんぶん赤旗」読者は、三万人強の純増でね、定期的な自然減のようなものもありますから、それを乗り越えて前進するというのは大変なんですけども、まだまだいまの情勢が私たちに求めていることから見れば初歩的な到達だけども、この半年間ほど思い切って党員や機関紙の拡大に力をいれて、それが、力をいれるときだけじゃなくて、日常的に、いろんな国会での闘いや住民の要求を取り上げた運動をやりながら、そのなかで片時も日本共産党自身の質や量を強く大きくするという活動を忘れずに頑張るという活動は、いま漸く定着しつつあるというか、この流れ・方向をいっそう発展させていきたい。
 青年もかなり入りましてね。まだまだ最盛期に比べると不十分ですけど、特に平和の問題や環境の問題やアジアで起こっているいまの新しい流れに、若い人々が大変関心を持ってまして、そういう若い人の持っている知的な関心や要求にこたえて青年に心をよせて、一方通行じゃなくて、相手の言い分に耳をかたむけながら、双方向といいますか、対話と共同と言う精神を発揮していけば、日本の青年、なかなか正義感も強いし、個人主義的なように見えるけども、平和の問題や当たり前のことが通る世の中にしたいと言う強い思いを持っているので、そういう人々と共に考えて共に歩むというか、そういう精神で、この間もやってきたんですけど、いっそうそういう点を強めたいと思っています。

●選挙での無党派層の取り込みに限界?

(長野)そこで、衆参選挙とも予想よりは共産党破れてしまったわけですが、そのなかで、いろいろ資料を拝見して、与党側の大規模な中傷ビラの影響が大きかったというような敗因なども書いてあるんだけども、私はそれだけではなくて、共産党が打ち出したソフト路線の先にねらってた無党派層の取り込みに限界があったんじゃないんですか、という感じを受け取るんですが、選挙にかけてはなかなか選挙通と言われる市田書記局長は、どういうような見方をされているんですか。

(市田)ソフト路線の限界ということじゃなくて、例えば、私が初めて当選した1998年の参議院選挙、これが一番最高の票なんです。比例でいうと八百万を超えたんです。
 ただ、八百万の中味を分析してみますと、どんなときにも日本共産党に投票するという人は、その中の(計算するのは)なかなか難しいですけども、やっぱり、四百万人前後だと思うんですよ。残りの四百万人ぐらいは、率直に言って風によって流される、流動的な・・・。

(長野)流動的な票だということですね。

(市田)消去法で、ほかにどこもないから、しかたなく共産党。いっぺん共産党に入れてみようかという票もあったんですね。
 私は一回でも入れてくれるというのはうれしいことなんだけども、そういう流動的な日本共産党ファン層を、いわばどんな反動勢力、与党側が攻撃を仕掛けてきても、引き続き支持し続けていただけるような日常的な結びつきと対話という点では、努力が足りなかったと思うんです。そこをいま一生懸命やっているとこなんですけど。

(長野)その流動的な四百万位の票を確保して、もっと幅広く国民の支持を受けていくうえで、立ちはだかっているのが、私は共産党の綱領だと思うんです。
 綱領は見直しをしていく方向にあるわけですけども、きょう会館の新しいのを見せていただいて、それから共産党の綱領のマルクス・レーニン主義特有の用語が化石のように並んでいる綱領を見ていると、このギャップというものが、まだまだ大きいなというのが率直な感じですけど、いかがですか。

(市田)綱領の見直しを決めましたのは、中味には自身を持っているんです。1961年の第8回党大会で決めたんですけども、こういう正確な日本の政治、経済、社会の分析と、どこに問題があって、何を打開するかという方向を決めたことが今日の日本共産党の前進の土台を築いた。
 だた、おっしゃるようにそれから数十年経っているわけですから、日本共産党の日本社会のなかにおける位置も変わってきているわけで、言葉のうえで難解な言葉がありますよね。
入りたての党員が、その意味わかるのかというような問題もありますから、よりわかりやすく多くの国民の皆さんにも理解していただけるような叙述、書き方にあらためていこうと言うのが綱領見直しの基本的な考え方で、あそこで指し示した、例えば、資本主義の枠内での民主的な改革を徹底するんだというような方向だとか、アメリカいいなりじゃなくて、日本の自主的な非同盟中立の方向だとか、大企業本位の政治から国民の暮らしに軸足を置いた経済政策とか、憲法が花開く自由や民主主義がもっと充実する社会に、そういう方向は、むしろ国民の共感を得て、率直にいうと、そういう綱領路線に国民の意識が接近しつつあるというのがいまの時代の特徴だ、と。
 そのことについては自身を持ってまして、言葉、表現をわかりやすくしようというのが基本なんです。

●共産党のプラスイメージは清潔、全国に支部がある、独自の分析能力と政策立案能力を持っていること

(長野)なるほど。共産党のプラスイメージが何かなあと思うと、清潔であるということですね。私はこれだけ政治スキャンダル国会だと、共産党の清潔感というのは非常に大きいし、それから、足腰がしっかりして全国に支部がある、政策スタッフが独自の分析能力と政策立案能力を持っている、社会的弱者の味方だなあというイメージはありますね。その他にありますか。

(市田)やっぱり、いまの点が最も中心的でしょうね。筋を通す、清潔、たんに批判者だけにとどまらず建設的な提案をおこなうというのが一番大きな・・・。

(長野)そういうような共産党のプラスイメージがあることはわかるんですが、かと言って共産党に国政を任せられるかというと、まだまだ不安を持っている。
それには、なんか独善的で閉鎖的なマイナスイメージとか、例えば、物の考え方のなかに、冷戦が終わっていないという。米ソの対立が終わってベルリンの壁が取れて、もう冷戦が終わったというのが世界の常識なのに、なんで日本共産党は冷戦が終わっていないというのとか、あるいは辛口評論家の佐高さんがですね、共産党倍増論のなかで言ってるんですけど、脱党者を反党分子と呼んで些末ないじめのようなことをする。出ていったやつは悪、こっちは善という単純な物差しだ、出ていった人から学ぶ姿勢がないと組織は強くならない。党を出た人に党の悪口を書かせて赤旗に載せるぐらいじゃないとダメだということを指摘しているんですが、この辺はいかがですか。

(市田)党を離れた人を一律に反党分子とは呼んでいないんですよ。心ならずもいろんな事情で党を離れた人もいるわけですから。ただ、日本共産党を攻撃したり、破壊しようとするような攻撃をするという人に対しては、当然、我々反論しますけども、元党員でその後、そういう反共的な立場にたっていない人で、わが党も推薦する知事の候補者になった人もいますし、そういう点では、非常に自由で門戸を開いているんですよ。
 けっして閉鎖的じゃありませんし、中央委員会総会なんて、あれほど公開しているところは、ほかにないんじゃないですかね。

●共産党の政権戦略は

(長野)わかりました。
 市田さん、いろいろ共産党の課題も伺ってきたんですが、政権へどういうような道筋というか政権戦略というか考えてらっしゃるんですか。

(市田)やはり政権ということになると、少なくとも衆議院ではわが党は百以上、参議院では数十議席を持つような状況にならなかったら、我々めざしている民主連合政府というは、なかなか大変だと思うんですよね。
 我々、21世紀の早い時期に民主連合政権を作ろう。そのためには、やっぱり、われわれ掲げている革新・民主の三つの目標ですね、先ほど言いましたけども、ひとつはアメリカいいなりじゃなくて、いかなる軍事同盟にも加わらない非同盟中立の方向をめざすということと、二つ目には大企業の利益優先じゃなくて、国民の暮らし優先の政治、三つ目は民主主義の問題ですね。
 そういう革新・民主の方向が国民の多くの皆さんの心をとらえるところまで、やっぱり、対話と共同を思い切って広げるということがひとつのカギだと思います。そういう点では、三目標で一致しなくても、どれかひとつでも一致する、そういう人との対話、共同を強めながら、やっぱり、一つひとつの選挙で着実に議席を伸ばしながら、それから足腰の強い党を作るということが、われわれが民主連合政権を作っていくうえで、ひとつの大きなカギじゃないかなと、党自身がやっぱり強く大きな力を持つということがなりよりもいま力を注ぐこと・・・。

(長野)党自身が力を強い力を持つということは、確かにそうなんですが、いまの日本の政治の課題が何かなあと考えたときに、まあ定着した民主主義をいかに成熟させるか、つまり、政権交代と言う習慣を導入できるかどうかに入っていると思うんですね、いまの日本の政治のレベル。
 そういうときに、むしろ共産党がその障害に私はなっていて、政権担当可能な非自民の勢力を作ろうとするときに、ある意味では共産党を加えないと数が足らない、だから、共産党自身が体質転換して、そういう新しい政権担当勢力に加わる選択をする必要が私はあると思うんですね。
 それは共産党なりに様々な例えば、首相指名選挙で民主党の管さんに投票されるということもなさったし、そこはわかるんだけども、私はもっとドラスティックに言えば、小選挙区制度の元で与党が候補者調整をしているのに、野党はバラバラに候補をたてているんだから、自民党に勝てるわけないんですね。だから、野党が勝つために、事前に政権構想に合意して候補者を統一する必要がある。
 特に10月補欠選挙がありますね、10月末には、いまは五つは予想されているけど、七つ位になるかもしれないとも言われている。そういうなかで、自由党の小沢党首は、自由党なくなっていいから、野党全部で統一候補を作ってとにかく政権交代をやろうよ、と呼びかけをされているんだけど、共産党はそういう10月の選挙も含めて統一候補を出すということについての、ドラスティックな転換というのはできないんですか。

(市田)われわれ国会内での一致する課題での共闘というのは野党間で、この間、非常に誠実にやってきましたし、これからもそれは重視していきたいと思っているんです。

 ただ、政権とか選挙ということになりますと、これはやっぱり、国会内での野党共闘とは少し性格を異にすると思うんですね。国民に対する責任から言って、基本政策で少なくとも一致なり合意がなかったら、右へ走ると言う人と左へ走ると言う人が政権という点で、一緒にとにかく数さえそろえればいいということになると、これは無責任になると思う。
 有事法制の問題でね、自由党さんと民主党さんと共産党は、いまの今国会に提案されている有事法制は反対ということで一致してたけども、有事法制はむしろ必要だというのが民主党さんの立場です。自由党さんはいまの自民党よりもっと右よりのという立場、しかし、今国会に提案されている法案には反対という点で一致したんだけど、政権とか選挙とかなると、そのことが問われるわけですよ。
 あるいは小泉構造改革にどういう態度でのぞむか。安保についてどういう態度でのぞむか。そういう最小限の一致がないままにやると、それは野合のそしりをまぬがれないと思うんですね。
 われわれもそういう点が一致すれば、きちんとした政策協定、組織協定ができれば、選挙でも共同ということはありますけど、現時点でその条件はまだないですね。

(長野)なるほどね。

(市田)それとね、非自民と言いますけど、細川内閣、思い出してみると、自民党政治の継承ということをうたって発足した政権なんですよ。合意事項を見るとね。いまの国民は自民党政治を変えてほしいと思っているときに、政党の組み合わせは変わったけれども、政治の中味は変わらなかったというんでは、国民の期待にこたえたことにならないわけですから、そこは区別してわれわれ考えたい、そう思います。

(長野)なるほど。そこで、野党第一党の民主党のあり方が、一気に統一候補を出すまでは、いま市田さんがおっしゃったように、国民に対する責任ということからできないよということなんだけど、政策の一致がない限りはね、だけど、他党のことでちょっとコメントしにくいでしょうが、民主党は9月に向けて代表選挙を多くの候補者が立っていますね。
 この野党第一党への注文という意味で、共産党から見て。

(市田)これは他の政党のことですからね、他党にこうしなさい、ああしなさいというのは言うべきことではない。

(長野)あってほしい、こうあってほしいというのは。

(市田)一般論として、野党という以上ですね、自民党政治に対する対抗軸ね、ここをしっかり据えるということがないとですね、野党とはいえないと思うんですよね。
 それで、最近はそういうことは、少し表面にでなくなったけど、小泉さんが登場したときは、背中を押してあげる。もし、それで倒れたら、骨拾ってあげるとまで言ってたわけでしょ。それでは、真に小泉さんの、弱者を痛めつける「構造改革」と闘えるのかなという感じは率直に持ちますね。野党らしく、自民党との対抗軸をはっきりさせるということが、カギじゃないかなあと。

●政治家になるのに一番大きな影響を与えたのは・・・

(長野)私も同感ですね。そこで、そもそも論で恐縮なんですが、何故、市田さん政治家になられたのか。そのキッカケというんですかね、思いというか。

(市田)政治家というのは国会議員というのに限定したとすれば、要請を受けて国会議員になった。自ら国会議員になりたいと手をあげたわけではない。
 ただ、共産党の専従職員になったことを含めて政治家というなら、私は28歳のときに、これまで勤めていたある大学の図書館の司書の仕事をやめて、党の専従職員になって、それ以来ずっと、そういう仕事を続けてきているわけで、それを政治家というふうに含めるなら、やっぱり、正義感というか自分の育ってきた生い立ちから、戦争や貧乏や不平等をなくしたい。そういう思いが政治家の道に走らせたということだと思います。

(長野)その影響を与えた方、本という意味では。

(市田)いろんな人がいますけれど、実は7年前に亡くなった自分の母親が、私の生き方や物の考え方に、やっぱり一番大きな影響を与えた人物ではないかな、と。

(長野)具体的にいうと。

(市田)身内なんだけど、たいへん私の尊敬している人物の一人なんですけど、私ごとでこの場で失礼なんですけども、8人兄弟だったんです。実は。
 いま生きているのは4人なんですけどね、残りの4人は、戦争と関わって命を亡くしているんです。だから、母は非常に苦労して、父親は私が10歳のときに亡くなりましたから、子供を必死で育てるんですけど、何ていうかな、そういうときに愚痴を言わずに必死に歯を食いしばりながら、誠実に真面目にかつ心優しく生きてきたというか、お人よしで涙もろい大変なロマンティストだったんですよね。
 そういう何か、母親の困難ななかでも明るさを忘れない真面目な前向きな生き方というかね、そこに非常に心を打たれてという感じですね。
 だから、誰か政治家の影響とか哲学者、思想家の影響というもんじゃない。それも後々にはありますけどね、若い頃という点では、やっぱり、そういう感じですね。

(長野)本という点ではどうですか。

(市田)これも決定的影響を与えたというような本はあまりないですけどね。高校時代、恩師から「共産党宣言」や「空想から科学」を読めと言われて、読んだけども、ちんぷんかんぷんでしたから、当時はね。むしろね、僕は石川啄木が好きでね。

(長野)なるほど。

(市田)「一握の砂」や「悲しき玩具」は全部そらんじるぐらい、当時は、当時はですよ。
彼は単なる抒情詩人、ロマンティストと言うだけじゃなくて、やはり、不正とか社会や政治の問題へも批判者としての精神を持ってたわけで、そういうロマンティシズムと、悪に対して、やっぱり、不正を許さない正義の姿勢というかね、そういうものには、中学校、高校ですけどね、あこがれを持ちましたよね。

●21世紀日本で成し遂げたいこと

(長野)最後に政治家としてはこれだけは成し遂げたい、21世紀の日本をこんな国にしたいということについて、いかがですか。

(市田)一言で言うと日本国憲法が花開く21世紀ということだと思うんです。
よく憲法は制定後、50年以上経って古くさくなったと言う。そうじゃない。いま燦然(さんぜん)と日本と世界に輝いているのが憲法で、この憲法から遅れているのが日本社会だと思うんですね。
 むしろ、この憲法が指し示す方向に日本社会を変えていくということが一番、私、大事なことじゃないかなあ、というふうに一言で言えばそういうことですね。

(長野)ガンの手術をなさって、民主党の仙谷さんもそうだったんですが、今度、ガンの征圧議連と言うのが超党派になったようですね。体調はよろしい。

(市田)きわめて良好で、食欲やアルコール欲を抑えるのが大変な・・・。

(長野)それは何よりで。

(市田)元気で頑張っています。

(長野)けさのゲストは日本共産党書記局長、市田忠義参議院議員でした。
市田さん2週間にわたってありがとうございました。

(市田)どうもありがとうございました。

(長野)結党80周年を記に日本共産党が、革命政党から脱皮して国民政党になれるかどうか、国民は注目をしています。そのカギは志位委員長と、それを支えるたたき上げの苦労人である市田書記局長のコンビが共産党に新たなバネを呼び起こし、無党派の市民と本当に、共同できるかどうかにかかっていると思います。
 きょうのようなわかりやすい丁寧な、共産党に対する疑問に今後もお答えをいただきたいと思います。