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2002年7月29日(月)「しんぶん赤旗」

NHK「日曜討論」

市田書記局長の発言(大要)


 二十八日のNHK「日曜討論」に出演した日本共産党の市田忠義書記局長の発言(大要)は次の通りです。

国民負担増一兆五千億円の医療改悪――痛みだけを押しつけた通常国会

 はじめに、通常国会ををどう評価するかが議論になりました。

 市田 小泉さんは、自民党を壊すんだ、つぶすんだということで喝さいを浴びて登場された。私は、今度の国会を振りかえってみて、実際に壊されたのは国民の暮らしや福祉で、負担増だけがかぶせられた、そういう国会だったと思います。

 象徴的に現れたのが金曜日(二十六日)に強行採決された健康保険法の改悪だと思います。あれはやり方も内容も本当にひどいものです。これだけ暮らしが大変なときに一兆五千百億円もの負担を強いる。しかも、当日与野党合意の上で誰が何分質問するか、与党の公明党草川議員の質問時間も予定されていた。その前に質疑打ち切り動議が出されて(強行採決)ということだった。理事会でも「今日採決する」ということは言われていない。しかも、ああいう重要法案はこれまでだったら中央公聴会を開くということになっていて、理事会で中央公聴会を開くかどうかについては、(与党から)返事があることになっていた。それもないままにやられた。他にもいろいろ問題がありますが、国民にそういう痛みだけが押しつけられた国会でした。

自民は公共事業受注企業の献金禁止に背を向けている

 次に、「政治とカネ」の問題にテーマが移り、野党が提出している公共事業受注企業からの献金禁止に関連し、自民党の山崎拓幹事長が、自民党が有識者懇談会の報告を受け「これからは制限的にやろうということは方向性として確認している」と述べたのに対して、市田氏は次のように批判しました。

 市田 自民党の有識者懇談会のレポートを読みましたが、公共事業受注企業からの寄付を全面的に禁止する条件は設定しないとされている。すなわち、公共事業受注企業からの献金をこれからも受けつづけるということを、ちゃんとお書きになっている。むしろ、企業献金を企業の社会的役割だとしている。雇用や地域経済を守るのが企業の社会的責任だというのは聞いたことがあるが、ここまで居直って(いる)。これは献金しない企業は社会的役割を果たしていないというのと一緒です。

 しかも、公共事業からの受注が売り上げの50%を超える企業は献金限度額を半分にするとレポートに書かれているが、ゼネコン上位二十四社で自民党に二〇〇〇年に寄付したところを調べたら、この制限で減額されるところは一社もないんです。

 大体、公共事業の受注が全体の五割を超えているとこなんて少ないんです。限度額を半分に減らしたとしても、制限を受けるところは(献金額が)最高の前田建設工業一社だけで、四十万円ほど減るだけの話なんです。二千数百万円寄付しているところですよ。これじゃ全然ダメなんです。

国民保護法制が出されても有事法案の本質変わらず

 与党が法案成立断念に追い込まれた有事法制について市田氏は、次のように述べました。

 市田 残された会期は後わずかですが、廃案に持ち込みたい。先日、沖縄に行ってきましたが、沖縄の約六十の自治体のうち今国会でこの法律を通せといっている首長は二人だけです。全国知事会も慎重審議を求めている。私は京都出身ですが、真宗大谷派は、撤回にすべきだということを宗議会で決議しています。

 世論調査を見ても二月の段階から今日まで大きな変化が起こっています。賛成派が多かったのが逆に反対派が増えています。やっぱりこの法案が武力による威嚇も行使も禁止した憲法に抵触するということについて、国民が大変な不安を持ってきていることの現れで、火種を残さずに廃案にするべきだと思います。

 それから国民保護法制の問題が出ていますが、これは名前は保護となっているけれども、実は国民の権利制限法制だと思います。福田官房長官が二十四日の有事特別委員会で、思想および良心の自由、信仰の自由についても絶対的なものではないということをおっしゃっている。すなわち、いわゆる有事の際に米軍や自衛隊が行動するときに、治安やライフラインや経済生活をどう統制するかということがこの法律の中身で、これを作ったから有事法制の本質がそれで変わるとか、欠陥がなくなったとかいうものではありません。

小泉内閣の経済政策は本末転倒

 どういう経済政策が求められているかが討論され、市田氏は次のようにのべました。

 市田 私はやっぱり、公共事業などの無駄を削る。そして、負担増をやめて必要なところへはお金を出す。それは雇用を守ったり、社会保障を充実させたりということだと思います。

 いまの日本の株価の下落というのは、アメリカ頼みというか、「景気は底入れした」と言ってきたが、結局はアメリカ(向けを)中心にした輸出中心だったわけで、内需は冷え込んでいる。所得も、消費も、設備投資も落ち込んでいる。すなわちこの内需をどう拡大するかというところに政治の光を当てることが大事です。

 ところが、いまやられているのは家計消費が落ち込むようなことばかりです。医療費が上がることに加えて、介護保険で保険料の見直しがやられる、年金の物価スライド凍結解除、それから雇用保険で保険料引き上げ、合計しますと三兆二千億円の負担増です。こんなことやって、経済が果たして活性化するのか。一兆円の法人税減税といわれるが、社会保障カットしておいて法人税をまけてやるというこういうやり方は本当にひどい。さらに、赤字の中小企業に税金をかける外形標準課税とか、やり方が本末転倒じゃないか。もっと地に足のついた内需拡大のために役立つような経済政策に転換させるべきだと思います。