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NHK「日曜討論」での発言(大要)

「しんぶん赤旗」2001.12.2(4面)


 日本共産党の市田忠義書記局長は二日、NHKの「日曜討論」に出演し、特殊法人や医療制度など小泉「改革」について討論しました。出演はほかに自民・山崎拓、公明・冬柴鉄三、保守・二階俊博、民主・菅直人、自由・藤井裕久、社民・福島瑞穂の各幹事長です。司会は山本孝NHK解説委員。

小泉「改革」−−小泉首相も“抵抗勢力”も悪政推進では同じ

 番組冒頭で、政府・与党が合意した七特殊法人の廃止・民営化方針や、医療制度「改革」の最終報告が紹介されました。市田氏は小泉「改革」について次のように発言しました。

 市田 私は、自民党・小泉内閣の「構造改革路線」が破たんしつつあると見ています。小泉さんの人気が高かったのは、これまでの自民党政治を変えてくれるんじゃないかという期待の声が、小泉内閣の支持の高さとして表れていたと思うんですね。

 ところが、この間やっていることを見ると、国民の立場にたった改革派が小泉さんで、それに対する抵抗勢力がいるというよりも、国民のくらしを悪くして医療費の負担を押しつけ、リストラは野放しで、まともな景気対策を何らやろうとしない。悪政の推進勢力という点ではまったく同じ立場です。

 例えば、道路公団の問題でも、結局借金の償還期限を五十年にすることで、未開通の二千四百キロは事実上そのままやられることになりましたし、二次補正を見ても、二兆五千億円のうちの一兆五千億円は相変わらず従来型の公共事業の積み増しです。ITや環境と修飾語はいろいろつけているけれど、従来型の自民党路線の地金が出た。

 失業率が5・4%という異常な事態になっていても、何の手も打たないなど、「改革」路線の破たんが表れていると思いますね。

本四公団の負債――責任は自民党に。ムダで採算性のない道路建設は見直すべきだ

 議論が道路公団への公費三千億円の投入中止や償還期限を「五十年以内」にする問題に移り、山崎氏は「本四架橋公団を道路四公団のなかで別立てにすると、国費を投入しなければ赤字が解消しない。その点を含めて第三者機関で検討する」とのべました。市田氏は「本四公団の負債返済に道路特定財源をあてるという意見も自民党にある」ことについて問われ、次のように答えました。

 市田 だいたい、本州と四国の間に三本も橋をつくって、採算を度外視してやったのは、道路公団が考えたわけじゃないんですよ。政府・自民党の政策にもとづいてやったわけです。

 そのつけを、今度の案でいきますと「債務は国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理する」と。結局、赤字のつけを国民負担でまかなおうというわけですから、これは本末転倒だと思うんです。

 さきほど議論になった三千億円の国費投入問題ですけど、これは道路特定財源からの三千億円ですよね。これを特殊法人に出すことをやめるというだけの話であって、その三千億円は別の道路建設のために使うわけですから(山本「一般道路の」)、何の解決にもなっていない。

 しかも、償還期限が三十年の場合は、未開通部分のおよそ二千四百キロは建設が無理になるだろうといわれていたのを、結局償還期限を五十年以内にすることで、ムダで意味のないような高速道路も引き続きつくり続けることが可能だと。古賀(誠・自民党道路調査会長)さんなんかそれで大いに喜んだわけですし、これは道路特定財源のお金なんだから別の道路に使えると、野中(広務・自民党元幹事長)さんなんか「悪い話でない」とおっしゃっているわけですから。

 「改革、改革」といって三千億円の投入をやめるんだと、何かいいことをやってくれるのかなと思っていたら、結局何らこれまでの従来型のやり方とまったく変わっていない。それで(本四公団への)借金のつけだけを国民に回すというのは、全然ダメだと思います。

 冬柴氏が「(道路計画は)おととしの国幹審(国土開発幹線自動車道建設審議会)で決め閣議決定した。それを市田さんは全部ムダだというが、国家意思で要るんだと決めた」とのべたことに対し、市田氏は「私はムダで採算性のない道路を見直すべきだといったので、五十年に償還期限を延ばせば、未開通の二千四百キロの六割以上ができると新聞にも発表されている」と反論。二階氏が「(本四架橋を)三本もつくってダメと得意げにいうが、当時やるべきでないといった人がいるか」と発言したことにも、市田氏は「われわれは反対した」と注意しました。

医療改悪――「三方一両損」というが国の負担と高薬価の是正が抜けている

 政府・与党が合意した「医療制度改革」について、「構造改革に基本的になっていない」(菅氏)、「(野党は)何も決まってないというが、サラリーマン本人三割にすることは決まっている」(冬柴氏)などと発言しました。

 医療保険財政の負担が増えるので高齢者の負担増もやむをえないとする与党側の考えに市田氏は次のように述べました。

 市田 OECD(経済協力開発機構)二十九カ国のなかで日本の医療費は十八番目で決して高くないのです。一九八〇年の国庫負担は三割だったのがいまは25%に引き下げられて、逆に家計負担は40%から45%に引き上げられています。もう一つは、高い薬価です。「三方一両損」といって等しく負担を分かち合うというが、国と製薬会社が抜けています。

 サラリーマン本人の三割の負担を(実施時期は)若干伸ばすといいますが、公明党さんは、たしか全国保険医団体連合会のアンケートでたしか三割反対といっていたんです。先ほどこんどの案には自分たちの意見が反映されているといっていたが、いったいどうなっているのか聞きたい。保険料が引き上げられる。高齢者が七十歳から七十四歳は一割というが、上限が事実上撤廃され、三千円から五千円までのものが大幅に引きあがるわけですね。患者、国民にとって負担が覆いかぶさるだけで、国や製薬会社には何の負担もないのは大問題です。

 診療報酬の引き下げについて問われ、市田氏は次のように指摘しました。

 市田 診療報酬の中身をよくみる必要があります。お医者さんだけでなく、看護婦、衛生検査技師、病院のすべてのスタッフの人件費も、病院施設の維持・管理費などもまかなう。ただ抑制したらいいとなると保険外診療や差額ベッドと医療の荒廃がかえっておこることになると思います。

 持続可能な医療制度といいますが、負担増をやれば病院に足が遠のく。二割負担になったときも三十五万人が病院にいくのをやめました。(さらに負担増となれば)いっそう病気が悪くなり、医療費がかさむ。そうなるとますます個人消費が落ち込み、不安が募り、景気が悪くなり、また負担が増えるという悪循環になる。医療保険財政の最大の危機の原因というのは、保険料算定の基礎となっている(労働者の)賃金が毎年低下している、その保険を支える加入者がリストラの影響で減っていることにメスを入れなければいけないと思います。