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日本民主青年同盟 第29回全国大会での
市田書記局長のあいさつ(大要)

2001年11月24日(土)東京



市田書記局長  みなさんこんにちは。日本共産党中央委員会を代表して、心からの連帯と激励のあいさつをおくります。

 ことしは二十一世紀、最初の年です。私たちはこの二十一世紀を歴史的な激動のなかでむかえています。いまの激動の情勢をどうみるか、みなさんといっしょに考えてみたいと思います。

国際テロと私たちの立場 国連中心の法による裁きこそ、テロ根絶につながる

 まず、アメリカでおきた同時多発テロであります。多くの市民を犠牲にしたあの無差別テロは、どんな理由をつけても正当化できない犯罪行為であります。地球文明と文明社会にたいする攻撃であり、人類の生存にかかわる大問題です。

 問題は、どのようにしてテロを根絶するのかということです。日本共産党は不破哲三議長と志位和夫委員長の連名の書簡を二度にわたって発表し、世界百数十カ国に送りました。その内容は、一部の国による武力報復ではなくて、国連中心、国際社会の団結の力でテロ集団をおいつめ孤立させて、この地球上どこにもテロ集団の逃げ場がないようにする、そして、法にもとづく制裁と裁きをおこなうというものです。

 当初、無法者にたいして法にもとづいて裁きをおこなうのは無理ではないか、という声もありました。しかし私たちが主張したこの見地の正しさが、日々証明されつつあります。

 アメリカの軍事攻撃があったからタリバンが崩壊したのであって、空爆の効果があがりつつある=Aこれが日米両政府の立場ですし、マスコミも連日、そう報じています。しかし、現実はどうでしょうか。非人道的なクラスター爆弾による無差別爆撃によってテロリストとはまったく関係のない一般市民、女性や子どもたちが毎日犠牲になっています。緒方靖夫参院議員を団長とするパキスタン訪問団に参院議員で医師の小池晃さんも参加しました。小池さんが訪ねた病院では、脳に爆弾の破片が突き刺さった一歳の子ども、その横に体中に破片が突き刺さったお母さん、そのとなりには、足のかかとが半分ぐらいえぐられた親せきの方が横たわっていたそうです。

 アメリカなどの空爆は、当初の目的であったテロ根絶になんら役立っていません。タリバンは崩壊しても、それはテロ根絶とは関係ありません。ビンラディンが仮につかまっても、アルカイダは世界六十数カ国にネットワークをもって活動しているわけですから、世界のどこにも居場所がないように、国際的に孤立させ、おいつめる、そうしてこそ、国際テロは根絶できます。ところが報復攻撃は、せっかくテロ根絶で一致していた国際社会の団結に亀裂を生じさせました。

 こうした事態のなかで、国際世論も変化しています。ヨーロッパ各国の首脳、NATO加盟国もふくめて、クラスター爆弾の使用をやめよ、ということは公然といわれるようになりましたし、イギリスでも国内の世論調査で、爆撃、空爆をただちに中止すべきだという声が、いまや多数であります。アナン国連事務総長も「爆撃は、できる限り早く終了し、人道的な業務が再開できるようになってほしい」と発言するなど、空爆をやめて法の裁きをという声が国際世論になりつつあります。

国内でテロと戦争、自衛隊派遣に反対する声がひろがっている

 国内でも同様であります。作家の井上ひさしさんや評論家の鶴見俊輔さんら二十人がよびかけた「テロ行為の根絶を心から願い、軍事力による報復と自衛隊派兵でなく法と理性にもとづく解決の声をひろげましょう」というアピールには二百二名の著名な方がたが賛同しました。そのなかには、作家の梅原猛さんや赤川次郎さん、女優の竹下景子さんらがふくまれています。作家の大江健三郎さん、池澤夏樹さんらも正義の声をあげておられます。

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは京都で断食をおこないました。不破議長が激励のメッセージを送ったところ、写経にきた方たちに、「いま不破さんからメッセージが届きました」と紹介されました。最近、知ったことですが、「週刊新潮」の十一月十五日号に瀬戸内さんはこう書かれています。「不破哲三さんの共感、激励の手紙を、京都の共産党の中井委員長たち三人が届けてくれた。私は不破さんはと一度もお話したことはないが、丁重な激励文で恐縮した。いつもの私ならその場でそれを読みあげるくらいの気配りがあるのに、さすがに三日目の夕方で、頭がぼうっとしていたのか、『共産党の不破哲三さんから陣中見舞いのお手紙を今、届けて下さいました』と写経中の人々に報告しただけであった。みんながいっせいに拍手してくれた」。本来ならメッセージの全文を写経にきた人たちに紹介すべきなんだけど、届いたとだけしかいわなかった、それがくやまれるという思いを書いて、わざわざ京都の中井委員長の名前まで出して紹介されました。

 とくに最近、宗教界の方たちの活発な発言が目立ちます。

 ほとんどすべての宗教団体を結集した日本宗教連盟はこんな声明をだしました。「武力をもって解決をはかろうとすることは善良な一般市民に犠牲を強いることであり、また戦火を避けた膨大な避難民の流出を招くことになり、まことに憂慮に堪えません。いま世界が真に求めていることは、平和と秩序を破壊するテロ行為を二度と繰り返されることなく、戦闘によらないで、その解決を図られることです」

 いま宗教団体でこうした声をあげていないのは創価学会だけであります。(笑い)

日本の青年が果たした大きな役割に確信を

 世論をつくりだすうえで、日本の青年たちが果たした役割は非常に大きなものがありました。いち早く、「テロも報復戦争もやめよ」、これを共通のスローガンに抗議集会や街頭署名、デモ、ストリートライブなど創意的で多様な行動を開始しました。みなさんがいち早くあげたこの正義の声は、いまや国内外の大きな流れになっていることに、おたがいに誇りと確信をもとうではありませんか。(大きな拍手)

憲法違反の自衛隊派遣はただちに中止を

 許せないのは、こうした世論の流れに逆らって、憲法九条をもつ日本が自衛隊を海外に送りだそうとしていることです。

 テロ根絶のために何が必要か、日本が何をなすべきか、そのいっさいの主体的検討をしないで、ただアメリカにつきしたがって、自衛隊を送りだすという思わくだけが政府の頭のなかにあります。

 憲法九条とはなんでしょうか。先の大戦で三百十万人の日本国民が犠牲になりました。二千万のアジアの人びとが犠牲になりました。その痛苦の教訓のうえに、日本国民が世界に先駆けてもった二度と再び戦争は起こさない、平和のためのもっともたしかな道すじ、これが憲法九条ではなかったでしょうか。

 私は八人兄弟ですが、そのうち四人が戦争にかかわって命をおとしました。七年前に九〇歳で亡くなった母は、自分の句集の前書きに次のように書きました。「この八十年にはさまざまな出来事が去来いたしましたが、なかでもいちばんつらく悲しかったことは自らの腹をいためた子どもを四人もなくしたことです。母親にとってわが子を失うことほど残酷なことはありません。せめて薬さえあったら、もう少し栄養のあるものを食べさせることができたらと幾度思ったことでしょう。あの忌まわしい戦争がなかったらと断腸の思いです」。これは母だけの思いではなかったのです。多くの国民の怒りでありなげきだと思います。

 悲しみ、怒り、犠牲の上に九条をもつ国が世界の平和に貢献する道は、決して自衛隊を海外に送りだすことではありません。テロを許さずという国際的な世論を背景に市民を犠牲にしないで、国連中心に解決する方向にむけて努力することこそ、憲法九条をもつ国にもっともふさわしい役割ではないでしょうか。

 小泉内閣がこの道を閉ざして歴史の歯車を半世紀以上も前に逆転させ、報復戦争の道にひたすら走ることは絶対に許すことができませません。憲法九条をもつ日本の国の一員として、この暴挙をくいとめるために世論と運動をさらに大きくひろげ、テロも報復戦争もない平和な二十一世紀をきりひらこうではありませんか。

青年のくらしを守るたたかいをさらにひろげよう

 日本の経済と国民のくらしもたいへんな実態であります。とりわけ青年をめぐる状況は深刻で、若い世代の夢や希望をうちくだきかねません。失業率は五・三%、失業者の半分以上が働く意欲にあふれた若い世代です。なんとか働き口のある青年も低賃金と長時間労働、サービス残業に苦しめられ、いつクビをきられるかわからない状況があります。大企業はヨーロッパでは当たり前の最低限のルールさえなげすてています。

 学んでいる若者はどうでしょうか。親がリストラされ、学費や給食費を払えず中途退学をせざるをえない学生が激増しています。高い学費のうえ、奨学金制度はいっそう悪くされようとしています。

 小泉首相は、「構造改革をすすめれば失業者はでる。やむをえない。そんなことに一喜一憂するな」といいました。私は参議院本会議で、「あなたは一喜一憂するなというけれど、国民にとって少しでもよろこぶべきことがあったか。一憂どころか憂うべきことばかりではないか」といいました。

 みなさん、政府のやるべき仕事は国民に若者に痛みをおしつけることではなくて、それをとりのぞくことではないでしょうか。私は若者を粗末にする社会に未来はないと思います。青年をはげまし、青年の力を生かし、夢をかなえる、これこそ政治の大目標にすべきであります。日本の社会経済は若い力、若い働き手を必要としています。日本共産党はそう主張してきました、青年が青年らしい知恵と力を発揮できるために全力をあげる決意を表明するものであります。

 では、こういう社会や政治を実現する力はあるのか。それは学ぶこと、「科学の目」で自然と社会をみること、そしてたたかうことだと思います。おかしいことはおかしいと声をあげる、世の中の不合理や不正義にたいしてたちむかい、それを正すためにおたがいに力をあわせる、この国民のたたかいこそが歴史をうごかす原動力であり、新しい時代をきりひらくたしかな力であります。日本と世界が重大な情勢にあるもとで、民青同盟のみなさんが青年の切実な要求から出発して、その実現をめざして多彩な運動を発展させてきたことはたいへん大きな意義があることだと思います。

 その一つが、雇用・就職問題であります。民青同盟のみなさんが全国いっせいに四十七都道府県すべてて労働相談をおこなわれました。これは画期的なことでありました。私は日本共産党のリストラ反対闘争本部長をしていますが、たいへん励まされ、学ばされました。労働相談では「月百時間以上も残業しているのに残業代がつくのは月十時間だけ」「一日休んだら一万八千円カット。忌引きさえとれない」などの切実な声がたくさんよせられました。こうしたとりくみは多くの青年のみなさんから歓迎されて、あたらしいつながりも活動をつうじてひろがったときいています。

 私は、一人ひとりの要求を大切にしたたたかい、これが政治をうごかし社会を前向きにかえるエネルギー源だと思います。ひどい現実に苦しみ活路をもとめている、そのことにこたえる熱いハートとパワーをもった民青同盟へとみなさんの活動がさらに大きく発展されることを心から願うものであります。

正義と真理をみきわめる「科学の目」をもって

 同時にみなさんが、おかしいことをおかしいと思わないように眠りこまされている攻撃もあります。不合理を不合理と思うためにも知識をみがき、「科学の目」をそなえることは一人ひとりの生き方にとって大事であるとともに、社会を進歩、発展させるためにかかせないことだからであります。

 一八九三年にロンドンの進歩的な青年の集まりでエンゲルスは、社会の進歩と発展のためには、「医師、技術者、科学者、農学者、その他の専門家を必要とします。というのも、政治機構の指揮ばかりではなく、あらゆる社会的生産の指揮をとることが大事だからであります。ここでは大言壮語のかわりに、しっかりした知識が必要です」とのべたことがありました。日本社会の進歩、発展のためにも、未来を担うみなさんがおおいに学んで、正義と真理をみきわめる「科学の目」をもつことを期待したいと思います。

班をつくり、何倍も大きな民青同盟へ前進しよう

 最後に、いまこそ全国の大学、高校、職場、地域に班をつくっていまよりも何倍も大きな民青同盟へ前進することをよびかけたいと思います。

 日本共産党はいま、党員と赤旗読者を思いきってふやし、次の総選挙、いっせい地方選挙こそ勝利者となってたちあらわれよう、二十一世紀に民主的な政権をつくる力をもった党へと前進しようと大運動をよびかけ、全力をあげています。これも私、本部長なんですが(笑い)、全力でがんばっています。

 十月にひらいた第三回中央委員会総会では、若い世代のなかでの活動を抜本的につよめることを強調しました。そのなかで民青同盟の前進と発展には特別の意味がある、日本共産党としても力をつくすことをきめました。民青同盟をつよく大きくすることは青年が苦しんでいるさまざまな問題を打開していくためにも、二十一世紀を進歩の世紀としていくためにも、本当に決定的なことだと思います。

 仲間をふやし、たくさんの班をつくることには困難もあるでしょう。しかし、青年の要求から出発する多彩な運動をゆたかに発展させながら、その担い手となる民青同盟そのものを大きく前進させる努力をいっかんしてつくすならば、これまでにない新しい前進をかちとれると確信しています。私たち日本共産党もそのために全力をあげます。

 私たちの活動は真理に立脚した活動です。苦労も多いけれど、やりがいもあり、ロマンに満ちた仕事であります。時間はかかっても真理に立脚しているから、かならず圧倒的な青年の心をとらえることができます。力をあわせて、せっかく楽しい仕事をするんですから、額にしわをよせないで、あかるく元気に、大学、高校、職場、地域に大きな班をつくって前進しようではありませんか。

 民青同盟第二十九回全国大会が、日本青年の希望となれるように前進を勝ちとる新しい出発点になることを期待して日本共産党中央委員会を代表しての激励と連帯のあいさつとします。みなさん、ごいっしょにがんばりましょう。(大きな拍手)