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世界に誇るべき民商・全商連の活動
全商連 創立50周年記念式典での
市田書記局長のあいさつ

2001年10月22日(月)東京・千代田区



全商連創立50周年  みなさん、おはようございます。ご紹介をいただきました日本共産党の書記局長をしております市田忠義でございます。

 創立当時はわずかい1万8000人の会員だった民商が、30万を超える大きな組織に発展して、この50周年を迎えられたことを日本共産党を代表して心から連帯とお祝いのごあいさつを申し上げたいと思います。本当におめでとうございます。

 私は先日、「民商・全商連の50年」という本を、かなり分厚い本ですが読ませていただきました。先ほど菱会長もおっしゃたように、そのまえがきのなかには魯迅の言葉を引きながら、まさに道なき道を歩み続け、切り開いてきた歴史だった。そういうふうに記されていました。民商・全商連のみなさんの半世紀に及ぶ活動の真骨頂は、中小業者の営業とくらしを支えるために大企業の横暴と悪政に真正面から立ち向かってこられたこと。そして、そのなかで業者の地位向上とさまざまな要求を掲げてその実現を勝ち取ってこられたことにありました。税金はおかみへの上納といった戦後のむちゃくちゃな更正決定の乱発を改めさせて、国民の基本的人権に立脚した申告納税制度を守ってこられました。

 また、大銀行と商工ローンの横暴、無法な取り立てを告発して、無担保、無保証人融資制度を全国に広げて、公的な融資制度を確立、拡充してこられたのも民商のみなさんの活動でした。これらの到達は中小企業、業者の経済的・社会的地位、役割を政治の場で認めさせたものであり、民商・全商連のみなさんの草の根での地を這うような長年の活動を抜きには語ることができない、と思います。 

 私は全国を回る機会が多くありますから、全国各地で民商と出会い、暗闘のなかで光を見た、という中小業者の方々の声をたくさんあちこちで聞きます。民商のみなさんの活動と実績の一つひとつが戦後必死の努力で日本の経済の再建と発展を支えてきた中小企業、業者の方々の苦境を救い、明日への勇気を生み出すどんなに大きな力となったかは計りしれません。

 いま、歴史を振り返って、希望ある新しい世紀を展望するときに私たちはいま中小業者の経営と国民の暮らしの基盤、21世紀の国のあり方にかかわる2つの大問題に直面していると思います。

 その1つは、先ほど菱さんも言われましたように、報復戦争参加法案の衆議院での強行可決であります。これはアメリカがテロ根絶のためと言えば、日本の自衛隊が白紙委任的に世界中のどこにでも参戦し、アメリカと一緒になって軍事力を行使することを可能とするものであります。パウエルが小泉総理に「空爆をこれから開始する」と電話をしてきたときには、すでにトマホークは発射された後でした。いつアメリカが軍事行動を始めようと、日本に報告する義務がない。

 どこで軍事行動をおこなうか。アフガンにとどまりません。アルカイダは世界60カ国に拠点を持っているわけですから、テロの根絶のためという目的ならば、イラクにもスーダンにもアメリカは戦火を拡大する。公然とそのことを述べています。どんな軍事行動をおこなうか。国防長官は「核兵器の使用も辞さない。それは排除されない」と言いました。人道上許されない地雷をばらまくクラスター爆弾、国際赤十字社がこの兵器だけは使わないでくれ。現に、これはもうアフガンに投下されて、NGOの4人の職員が命を失い、報道によれば200人を超す一般市民が命を失っている。小学校にまで爆弾が投下される。そういう事態も起こりました。

 私たちはテロは絶対に根絶しなければならないと思います。しかし、今後のテロ行為はアメリカにかけられた攻撃だけではなくて、世界に、国際社会にかけられた攻撃です。ですから、国際社会が一致協力して立ち上がって、テロ勢力を孤立に追いやることが最大のテロ根絶の保証であります。ところが、一部の国による残念な報復的な軍事攻撃が開始されて、せっかく国際社会がテロ根絶で団結していたのに亀裂が生じ始めました。インドネシアのメガワティ大統領、あるいはマハティール首相やイスラム諸国の各国民衆がテロは反対だけれども、だからといって罪なき人を殺してしまう報復得戦争は反対だという声をいま挙げつつあります。国連中心の制裁と裁きという手段を尽くさないで、報復的な武力行使をおこなったことは、テロ根絶に役立たないばかりか、罪なき人々を殺りくする。そして、国際社会の団結に亀裂を生じさせる。

 しかも、報復戦争への自衛隊の参加は、日本が戦後初めて、これまで日本の自衛隊は1人も外国の人の命を奪ったことはありませんでした。それは世界に誇るべきことです。それが、現に戦争がおこなわれている国に、他国の領土にまで自衛隊が乗り込んでいって一般の人々を殺りくする。戦争をしない国から戦争をする国へと大きく足を踏み出すものであり、平和憲法をずたずたに踏みにじるものであります。

 命と国土の限りない破壊戦争に経営と暮らしの希望を見いだすことは絶対にできません。私たちはお互いの組織の真価を発揮しながら、テロの根絶、報復戦争中止、憲法違反の戦争参加はやめろ、国連中心の法と理性に基づく制裁と裁きをと、この国民世論を草の根から大いに広げていきたいと思います。

 2つめの問題は、大企業の空前のリストラ野放し、中小企業つぶしの期限を切った不良債権の最終処理に反対して、雇用を守り、中小企業、業者を守る問題であります。いま、自動車、電機、通信産業などをはじめ、大手30社だけで16万人のリストラ計画が発表されています。こういうことをやれば、下請け、中小企業にも大きな影響を与えるでしょう。商店街もさびれる。戦後最悪の失業と地域経済の破壊的な状況に拍車がかけられることは明らかであります。

 小泉総理は国会の答弁のなかで、少々の失業者が出てもかまわない、こんなことで一喜一憂するな、と言った。私は代表質問で、一喜どころか、一つでも喜ぶことが国民の立場に立ったときにあるか。一憂どころか憂うべきことばかりではないかということを言いましたが、本当にあの人はそういう痛みがわからない人だなと思いました。そういう開き直りをやりながら、苦境のただ中にある中小企業、業者の息の根を国策によって止めようとしている。

 ある集会で私は菱さんからお聞きした話ですが、参議院選挙のさなかに小泉総理の顔写真が張ってある家をある地方銀行の幹部が訪ねて、「あなたは小泉さんのポスターを張っているのだから、不良債権の処理に賛成でしょう」。そういって資金の回収に回ってきた。共産党のポスターを張ってある家だけは避けたそうです。ありがたい、魔よけになったという話を聞きましたが、ただでさえルールなき資本主義と言われる日本が、こんなことを横行させれば本当に弱肉強食の無法社会になってしまう。国民の暮らしと日本経済が破局に導かれることは明らかだと思います。

 よく小泉さんは「自立自助」ということを言います。自ら立ちなさい。そう言うなら大銀行のほうに向かって言ったらどうでしょうか。自ら自分の力では立てない障害者や中小業者に光を当てるのが政治の責任だと、私は思います。大銀行や大企業には国民から吸い上げた税金を惜しげもなく注ぎ込みながら、必死の努力で雇用と国民の暮らしを支える中小業者は絞め殺す。しかも、それを敗者が市場から退場するのは当然だ。こんなことを言ってのける国がこれまで世界にあったでしょうか。あの竹中平蔵は平然とこういうことを名前のとおり国会で言う人物であります。赤字でも雇用を維持して、国民の暮らし、地域経済を支えている中小企業こそが優良企業ではないでしょうか。私たちはここを支えてこそ不況から抜け出して、日本の経済の前途を開くことができると確信いたします。

 民商・全商連をはじめ、日本の平和・民主運動の半世紀のたたかいは、このような歴史の流れからの逆戻り、国民無視の政治は一時的に国民の心をとらえることができても、決して長くは続かないことを教えていると思います。まじめに働く国民こそ、この日本を支える本当の主人公であります。そのことを自覚した集団が立ち上がり、声を挙げ、主体的に奮闘してこそ情勢を主導的に切り開くことができます。

 外国にも中小企業の組織はたくさんあります。しかし、自営商工業者自らの経済的な要求と、平和・民主主義の国民的要求を掲げて運動し、その経済的・社会的地位を高めてきた組織は民商・全商連以外に世界にはありません。その存在と活動はまさに日本が世界に誇るべきものだと私は確信いたします。その歴史と伝統、巨大な組織となった力を発揮して、中小企業が日本経済の主役として本領を発揮することのできる日本、国民が名実ともに主人公となる政治を実現するために、みなさんご一緒に力を合わせようではありませんか。そのことを申し上げて連帯のごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。