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NHK「日曜討論」
市田書記局長の発言(大要)

2001年10月14日(日)
「しんぶん赤旗」2001.10.16(4面)



 日本共産党の市田忠義書記局長は、十四日放送のNHK「日曜討論」に出演し、米英両国によるアフガニスタンへの報復攻撃、国会で審議中の報復戦争参加法案(テロ対策特別措置法案)について、与野党の幹事長らと討論しました。他党の出席者は、自民党・山崎拓、民主党・菅直人、公明党・冬柴鉄三、自由党・藤井裕久の各幹事長、社民党・辻元清美政審会長、保守党・井上喜一政調会長。司会は山本孝NHK解説委員。

アフガンへの軍事攻撃は中止し国連中心の制裁と"裁き"の道にきりかえを

 米英両国によるアフガニスタンへの軍事攻撃について、与党側は「テロの元凶であるビンラディンとその組織を壊滅させるための行動」(山崎氏)と支持する姿勢を示し、菅氏も「テロ集団への攻撃はやむをえない」とのべました。市田氏は、次のようにのべました。

 市田 国連中心に犯人の告発と制裁という手段が尽くされない状況のもとで、一部の国によってああいう軍事攻撃がおこなわれたことは重大で、武力行使は中止すべきです。

 ビンラディンが、事実上の犯行声明に近いビデオ放送をやったわけですね(山本「そうですね」)。あれは、テロを賛美したし、「これからもやる」と予告し、犯行をあれだけ疑われながら否定しなかったということですから、国連で公式にビンラディンの容疑を確認する。そのうえにたって、国連中心に犯人の引き渡しを求める。応じない場合は、国連憲章第七章にもとづいて、強制措置もおこなう。それは、非軍事的な措置を徹底してやりながら、それでも応じない場合には、国連が合意をすれば、軍事的な措置も含めて、引き渡しを求める。そして、裁判によって厳正な処罰をする。

 (山本「国連が決定すれば、軍事的な背景でやってもよろしいといっているわけですか」)それは、経済的な制裁を徹底してやって、なおかつそれでも出てこないという場合には、国連が合意すれば、やり方、規模は今後の検討ですけれども、そういうこともありうる。そして、国際法廷なりできちんと裁判をやって、真相を明らかにして、処罰をするというのが、われわれの立場です。

武器使用の拡大――戦場近くに自衛隊を送る前提が間違っている

 討論は、報復戦争参加法案の問題点に移りました。法案が、自衛隊員の武器使用の範囲を「自己の管理の下に入った者」の防護にまで拡大したことにたいし、山崎氏は、「武力の行使ではなく、安全確保のため武器の使用をどこまで認めるのかという問題」とのべ、菅氏は「中身についてダメだといっているわけじゃない」と発言。藤井氏は、任務の遂行を実力をもって妨げることに対処するという「国際基準」に合わせ、武器の使用を認めるべきだとのべました。市田氏は次のように指摘しました。

 市田 まず前提、立脚点なんですけれども、なぜ武器使用の緩和を今度やろうとするか。それは、これまで"危ないところにいかない"といっていたのを"そういうわけにはいかない。危ないところにもいってもらう"、――言葉では、「戦闘地域」あるいは「今後戦闘がおこなわれるであろう(地域)」と認められるところには行かないといっていたけれども――結局戦場近くに行くから、そういう危険なことが起こるわけです。武器使用の緩和というのは、そういうもとで生まれてきているわけですから、そういう行為自体をやめるべきです。

 私は、以前の(NHK)討論会でも「国際基準というのは反対だ」といってきました。そういう緩和をしなければならないような状況下に、自衛隊を送るということ自体の前提、立脚点が間違っている。「武器の使用でそれは武力行使にあたらない」とおっしゃったけれども、小さな武器の使用から、武力行使にだんだん拡大していくというのは、これまでの戦争の経過です。国民は納得しないと思います。

武器・弾薬の輸送は武力行使と一体

 法案に盛り込まれた「武器・弾薬の輸送」について、菅氏は「武器・弾薬の輸送はしないということで線を引くべきだ」とのべ、山崎氏は「法案の修正は認められないが、政府答弁でという議論はあり得る」と発言。市田氏は次のようにのべました。

 市田 先日、あるテレビ番組で、小泉首相に「日本人が運んだ武器・弾薬で罪もない民間人が殺される。そういうことに胸が痛まないのか」という質問がぶつけられていました。  政府でさえも、武器・弾薬の提供や補給はできない、それは武力行使と一体になるからだと(している)。では、輸送と補給・提供とどこが違うのか。アメリカの武器を(自衛隊が)運び、それを積みこんだアメリカの爆撃機が(出撃する)。しかも、どこでだれを爆撃するか、国会で(政府に)何度聞いても「分からない」(という答弁)です。  そういう形で(武器・弾薬が)使われるというのは、だれがみても、「武力行使と一体」といわざるをえないわけです。やっぱり、日本の自衛隊が運んだ武器・弾薬がそういう形で使われるということは、付帯決議をつけたからといって、私は本質的には変わらないと思います。

国会承認なしの白紙委任には反対 部分的修正で承認できる法律でない

 つづいて、自衛隊を派遣するときの国会承認の問題について議論になりました。山崎氏は「法律自体が(自衛隊が)こういう行動をとるということを是認するもの」、冬柴氏は「自衛隊の活動については、国会審議のなかで十分論及されている」として、国会承認は必要ないと発言。菅氏は「中身の議論はこの法律だけではまったく不十分。基本計画について国会で審議することは当然」と指摘しました。市田氏は次のようにのべました。

 市田 大事なのは、仮定の話ではなくて、現実にアフガンで戦争が起こっているわけです。そこへ初めて、"戦闘地域には行かない"といいながら、自衛隊が海外に出て行くわけです。いわば、日本の二十一世紀の今後のあり方の基本にかかわる問題なんです。それを国会承認なしでやるという。国会でほとんど事実が明らかになったといわれるけれども、何を聞いても(政府は)"仮定の話だから、自衛隊がどこに行くか、何をやるか、どういうことをやるか、それはその場になってみないとわからない"といっているわけですよ。そんなことでは、白紙委任は絶対にできません。

 私たちは法案には反対ですが、国会承認もやらないでこんな大事なことが行われるというのは、まったく反対です。

 最後に、与党側と民主党の修正協議の動きについて問われ、市田氏は次のようにのべました。

 市田 本質問題についての議論なしに、部分的な問題で承認できるような法律ではないと思います。そういう点では、菅さんにも、あいまいな形で賛成するということにはならないようにしていただきたいと思います。