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10・11緊急中央集会での
市田書記局長のあいさつ(大要)

2001年10月11日(木)東京・日比谷野外音楽堂
「しんぶん赤旗」2001.10.13(5面)



市田書記局長  10・11緊急中央集会(東京・日比谷野外音楽堂)で情勢報告を兼ねてあいさつした日本共産党の市田忠義書記局長の発言の大要は次の通りです。

 私は日本共産党を代表して10・11緊急中央集会にお集まりのみなさんに心からの連帯のごあいさつを送るとともに、ともにたたかう決意を込めて、情勢報告をおこないます。

軍事報復はただちに中止すべきだ

 アメリカ軍はついに、日本時間の十月八日未明、イギリス軍とともにアフガニスタンへの武力攻撃を開始をいたしました。国連を中心にした容疑者の告発と制裁という手段をつくさないまま、報復的な軍事行動が開始されたことは、きわめて重大であります。

 私たちは、軍事報復はただちに中止すべきだと考えます(拍手)。きょう、私どもの不破哲三議長と志位和夫委員長が連名でふたたび、世界の各国の首脳に書簡を送りました。まずその中心点について述べたいと思います。

 今回の武力攻撃によって、地雷の除去に当たっていたNGOの職員が四名命を失うなど、民間人に新たな犠牲が生まれています。罪なき市民に犠牲が広がることは絶対に許すことはできません(拍手)。しかもアメリカ政府は国連への書簡の中で、軍事攻撃の対象をアフガニスタン以外にも広げることを示唆いたしました。そして昨日、小泉総理はわが党の筆坂議員の質問に「その場合もできるだけの協力をしたい」と述べました。アメリカの国防長官は「最善の対テロ防衛は地球規模の対テロ攻撃。場所は問わない。たたかいは数年にわたる」。そう述べました。これらは戦争の大規模化を予想させるものであります。

ビンラディン引き渡しはタリバンの義務

 そうしたなかで、新しい情勢が生まれました。みなさんもごらんになったと思いますが、十月八日に放映されたビンラディンのビデオ演説の内容であります。そこでは三つの新しい特徴がありました。

 一つは、米国へのテロを「神の下した断罪」として全面的にほめたたえたことであります。第二に、世界からあれだけ容疑をかけられていながら、あの長い演説の中で自らの犯行を否定しなかったこと。そして第三に、今後アメリカなどにテロをおこなうことを事実上、予告したこと。この発言はビンラディンとアルカイダがテロ攻撃を実行し、関与した重大な容疑を自ら裏付けたことになるのではないでしょうか。 タリバンはこれまでビンラディンの容疑が明らかになれば、引き渡すと言っていました。そうならば、ビンラディンを引き渡すことは国際社会に対するタリバンの義務ではないでしょうか。

国際社会に日本共産党が3つの提案

 そういう新しい事態の上に立って、私たちはテロ勢力との闘争を、一部の国による軍事攻撃と戦争の拡大という道から、国際社会の責任による制裁と裁きに切り替えることが必要と考えて、次の三つの提案を国際社会にきょうおこないました。

 その第一は国連としてビンラディンの容疑を公式に確認し、タリバンに身柄の引き渡しを要求すること。第二に、タリバンがそれを拒否した場合は国連がその制裁を国連憲章七章に基づく強制措置という形でおこなうこと。アフガン国民への人道的配慮を十分におこないながら、経済制裁など、非軍事的な措置を徹底すること。それでもなお不十分と国際社会が認定した場合には、今やられているような一部の国の軍事攻撃ではなくて、四二条に基づく軍事的な措置をとることもありうること。そして第三に、容疑者に対する制裁と処罰を裁判を通じておこなうことであります。(拍手)

 今度のテロ攻撃は米国への攻撃にとどまりません。それは国際社会全体に対する攻撃であります。したがって国際法廷を設置することも検討すべきことも国際社会に対して呼びかけました。

 みなさん、テロを根絶するためには国際社会の一致した包囲によってテロリストの逃げ道を地球上のどこにもなくなるという状況をつくることが不可欠ではないでしょうか。(拍手)

 この権限を持っているのは国連しかありません。私たちはここにこそ、今回の事態を道理と理性を持って解決する道があると確信いたします。(拍手) さて、対米支援の報復戦争参加法案の審議が始まりました。ある著名なジャーナリストが、こんな意見を日本共産党に寄せられました。「仮定の話ではなくて、戦争が起こった。その戦争に自衛隊が参加することは、どんな言い訳をしようが日本が戦争に参加することであり、憲法違反だ。この点を徹底的に追及してほしい」という意見です。まさに、そのとおりだと思います。(拍手)

 法案の重大な中身についてきょうは時間がございませんので、二点だけ、述べたいと思います。

アメリカの軍事行動には歯止めがない

 第一は、自衛隊が支援する米軍の軍事行動はテロの脅威を除去するという名目なら、いつ、どこで、どんなことをやってもいいということに法律上はなっているということであります。日本は米軍への協力について、主体的に判断すると言っていますが、アメリカ軍がおこなう一つひとつの軍事行動について事前に日本に報告されるという法律上の保障は一つもありません。たとえばパウエル国務長官が日本の総理大臣に軍事攻撃をおこなうという報告をしたときには、すでにアメリカのトマホークは発射された後でありました。

 米軍はどこで活動するか、アフガニスタンだけではなくて、イラクやスーダンでも活動する。そしてその場合は、日本が協力をする。ブッシュ大統領は「アルカイダの拠点は世界六十カ国だ」と言いました。世界中どこでも「テロの脅威を除去する」という名目なら、アメリカは世界中どこでも軍事行動をおこなう。そしてどんな活動をおこなうか、これもまったく無限定であります。

 アメリカの国防長官は「核兵器の使用も排除しない」と言いました。今度の国会に提案されている法案は核兵器を使った攻撃だから支援しないという歯止めは、法律上どこにもありません。すなわちアメリカ軍の攻撃はその手段・時期・場所について一切の制限がない。そしてそれに日本の自衛隊が兵たん活動をおこなう。これが戦争放棄を明確にした憲法違反でなくてなんというのでしょうか。(拍手)

自衛隊の活動地域も無限定

 第二は、自衛隊が活動する地域であります。これも無限定であります。衆院予算委員会での山口富男議員の質問に、小泉総理もそのことを認めました。しかし、戦闘がおこなわれていない地域、あるいは今後、おこなわれることがないと認められる地域でやるんだから、限定はあるんだ。しかしみなさん、相手はテロ集団です。どこがいつ戦場になるかは分からないではありませんか。こんな言い訳がなりたつわけがありません。

 戦後初めて戦闘中の外国の領土にまで自衛隊が出かけることになる。まさに、全労連の小林さんが言われたように「戦争をしない国」から「戦争をする国」へと大きく足を踏み出すことになります。憲法をずたずたに踏みにじるこんな攻撃をわれわれは絶対に許すことはできません。(そうだの声、拍手)

法案の強行は許されない

 政府は十九日までに可決して、APECに間に合わせよう、としている。とんでもないことです。軍事行動が始まったからといって、ろくろく審議もしないで憲法違反の法案を強行することは絶対に許すことができません。(拍手)

 ことは二十一世紀の日本のあり方の根本にかかわる問題であります。私は総理が所信表明演説で「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」という憲法前文を引用したことについてふれて、この一節の真の意味は戦前の軍国主義侵略戦争が日本を国際的孤立に導いた反省の上に立ち、それを徹底的に打破することを誓ったものであり、もし、憲法前文のこの文言を報復戦争への協力の根拠にするというのなら、それは憲法と歴史を冒とくするものにほかならない。そう指摘をいたしました。(拍手)

道理と大義は国民の側にある

 戦争放棄をうたった日本国憲法は国際貢献の制約ではなくて、世界に誇るべき私たちの宝であります(拍手)。道理と大義はわれわれの側にあります。今、世界と日本の多くの心ある人々が、テロ反対と国連中心の制裁と裁きを、の声をあげつつあります。アメリカでは元海兵隊の隊員が「無実の人を犠牲にしないで」という手紙をブッシュ大統領に出して、世界の人々の共感を呼びました。これがアメリカの新聞の一面を飾った全面広告として掲載されました。

 私は全国革新懇の代表世話人の一人でもありますが、革新懇が呼びかけたテロ反対、報復攻撃反対、憲法九条を守れの呼びかけに、アナウンサーの徳光和夫さん、女優の中原ひとみさん、東ちづるさん、ジャーナリストの野中ともよさん、そして落合恵子さんも賛同の声をきょう、寄せられました。

 こうした声をもっともっと早く広げるとともに、お互いにたたかいの展望に確信を持って力を合わせて、頑張りぬこうじゃありませんか。そのことを心から呼びかけて、私たち日本共産党もみなさんとご一緒に院の内外で全力あげてたたかいぬく決意を表明して情勢報告といたします。ともにがんばりましょう。(「がんばろう」の声、大きな拍手)